雅 -miyabi- 第1章 (ページ9)

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＜イスマン先生＞

BoAオンニと東方神起の二人は
仕事があるからと
自分の家に帰っていった

私はその足で会長室に向かった

IS『そうか…
ハルモニ亡くなったのか…』

『はい…突然でした』

ユノオッパやチャンミンが
事務所に連れてきてくれていたので
そのまま先生に報告しようと思ったのだ

忘れちゃいけない
SMEの会長イスマン先生

先生は雅の常連さんで
いつもコーヒーを飲みにきてくれる

祖母から聞いた話だと
ここにカフェを開いた時からの常連らしい

私が韓国に来た時にも
お世話になったと聞いた

IS『葬儀の手配はしておいてあげよう』

『え、そこまでしていただかなくても…』

IS『何言ってるんだい
A、君は私たちの家族だよ』

先生は私を娘のように
可愛がってくれていたので
その言葉が嬉しくて、思わず泣いてしまった

先生はすぐに葬儀の手配をしてくれて
祖母は空へと還っていった

悲しかったけれど、私には家族がいる

祖母の葬儀には
SMFamilyみんなが参列してくれた

もちろん、カンタオッパも

【SME お世話になった
ハルモニの葬儀に参列】

その日のNEWSにも
取り上げられるほどだった

さらには先生がこのカフェを買取り
私がずっとお店に居られるようにしてくれた

私は先生に少しずつでもいいから
恩返ししていけたらいいなと思う

祖母が亡くなって数日経ったある日、
先生とユノオッパが雅に来てくれた

先生の好きなコーヒーを入れていると

IS『A』

『はい、なんでしょう？』

IS『ハルモニが好きだった歌、
歌ってくれないか？』

祖母が好きだった歌…
それは“上をむいて歩こう”だった

YH『じゃあ、ギター借りるね』

ユノオッパは隅においてあった
ギターを持つとメロディを奏でてくれた

『♪うえをむいてあるこう…』

私は韓国語で歌った

1度祖母が歌っている時に先生が聞いていて
優しい顔で見守っている先生を見たことがある

歌い終わるとユノオッパも
先生も拍手をしてくれた

IS『ありがとう』

先生も祖母が亡くなって
寂しかったのだろう

少し涙を浮かべながら
私をじっと見ていた

それから、少し間があって

IS『A、私の事務所で
デビューしてみないか？』

先生は私の目を
真剣な眼差しで見ながらそう言った

だけど、私は…