雅 -miyabi- 第1章 (ページ27)

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＜小さなお願い＞

『今はいないからね！』

私が声をかけると
みんなは少し元気になったけど

CM『Aには、
女っ気ないですからね』

『もう、チャンミン！
みんな、気にしないでね？』

勉強会もそこそこに切り上げて
みんな帰っていった

『もー、チャンミンのおかげで
みんな元気なくなっちゃったじゃない！』

CM『なんでですか？』

全く、もう…
自覚あるくせに…

CM『わからないんですか？』

『へっ？』

チャンミンは
私の目をじっと見て離さない

CM『悪い虫から守ってるんですよ』

『悪い虫って……後輩じゃない……
しかも、チャンミンは
私の彼氏じゃないでしょ？』

照れながらそう言うと、
チャンミンは少し寂しそうな顔をしていた

『なに、寂しそうな顔してんのよー』

少しおちゃらけて聞いてみたけど
チャンミンは黙ったまま
私の髪をくしゃくしゃっと撫で
少し微笑みながら帰っていった

寂しそうな顔になった理由は
よくわからない

なんなのよ…全く…

私はくしゃくしゃにされた髪を撫でながら
チャンミンの出ていった店のドアを見守った

SHINeeの勉強会から数日、
またもやケータリングの準備をしている私

今日は初めて会うグループだから
緊張しちゃうけど…

どんなグループだろう…
楽しみだな…

朝、ケータリングボードを見に行くと
練習室3の欄に小さく
「チキンが食べたい」と書いてあった

ただグループ名がなく
どうしようかと思っていると

SF『あぁ、それ
EXOのカイが書いたやつですよ』

私がじっと見ているのに
気づいたスタッフの1人が声をかけてくれた

『そうですか、ありがとうございます』

スタッフさんにお礼を行って
買出しに出掛ける

『チキンかぁ…ヤンニョムと
普通の唐揚げくらいしか出来ないけど』

材料を買って、お店に篭ること1時間
大量の唐揚げとヤンニョムができた

味見もしっかりしたし、大丈夫だけど
ちょっと作りすぎたかな…

『よし…』

さっきのスタッフさんに
少しお裾分けしよう

そう思って別の容器に入れて
SMEへ向かった

『お裾分けですー』

SF『わー、ありがとう』

スタッフさんたちに渡すと
嬉しそうにみんなで食べ始めてくれた

その姿を見届けてから
ケータリングの注文をしてくれた
練習室に向かった