テラス席の彼。(緑) (ページ41)

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私は、大倉さんに働いていた時のこと、今のカフェに出会ったことを懐かしむように全て話していた。

『なんか、ごめんなさい、こんなくだらない話を長々と‥‥』

大「全然、くだらんくないやん。Aちゃんが決めた人生の選択は、その時そう思ったんやからそういう事やって！
就活の時に経験できんかった、ここで働きたいって気持ちが生まれて行動にすぐ移せるってすごい事やん！
何でもタイミングやで。そのタイミングが良かったんやわ。」

『そうですかね‥‥』

大「うん、じゃないと、あのカフェで俺ら出会ってなかったやん？これもタイミングやろ？」

『はい、そーですよね‥‥！あの、大倉さんはどうしてバーテンダーになろうと思ったんですか？』

大「俺？俺こそくだらんで？笑」

『えー！ききたいですっ！』

大「‥‥好きやから。」

『‥‥‥‥え？』

大「単純にお酒が好きやから。」

大倉さん、主語つけてください‥‥！酔った頭じゃ錯覚しちゃいます‥‥！

大「オトンが家にワインセラー置いててさ、小さい頃から飲むオトン見ててずっと興味あって。大学入って普通の仕事したけど、やっぱりお酒に関わる仕事したいなー思って。」

『大倉さんも、一旦仕事してたんですね‥‥』

大「そう、だからAちゃんの気持ち分かるよ。‥‥で、ふらふら飲み歩いてた時にこの店に入ったら、すばるくんに出会ってん。
すばるくんは、自分のやりたい事を体現して自分のバー持って、人の事しっかり見て、求めてる以上のサービスをしてる姿見て。
やりたい事ガマンして働いてる場合ちゃうわ！
って、思ってんよ。」

『なんか、私達似てますね‥‥』

大「そやね、だからかな、Aちゃんと居ると、落ち着くん‥‥」

大倉さん、それはお客さんだから？そういうリップサービスなの？それとも私だから？
好きになればなるほど、大倉さんの一言で幸せになったり、へこんだり。

でも、今はこの時間を楽しもう‥‥

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