テラス席の彼。(緑) (ページ34)

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34杯ページ34

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ぽやぽやとする頭を自覚しつつ、目線はしっかりと大倉さんを追いかける。

グラスを拭く華奢で長い指。カクテルに添える果物を切る包丁さばき。シェイカーを振る時の逞しい腕。全てが新鮮で私のときめきは止まることを知らない。

渋「Aちゃん？そんなに大倉がええのん？おっちゃんの事も見て？笑」

村「見すぎや、Awww」

横「流石に気付かれんでwww」

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『ふぁ、そんなに見てました？！』

両手で火照った頬を包む。

___________________ギィ

扉の開く音がした。

入口には綺麗なお姉さん。髪はしっかりと手入れされて長い毛先は丁寧に巻かれている。華奢な身体に纏うワンピースもアクセサリーもピンヒールも。お姉さんを彩るために生まれてきたように見える。

すばるさんに目配せをして、居ることを確認したあと、

女「なんだ、忠義もう来てたんだ。」

‥‥え、今、忠義って。

大「あ、綾美さん。暇やったから、早く来たんすよ。笑
いつものトコどうぞ。」

女「うん、ありがとう。ギムレットちょうだい？」

大「いきなりっすか？このあと大丈夫なんですか？」

女「当たり前。今日は強い酒入れておきたいの笑」

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私の知らない大倉さん。当たり前のようなやり取り。遠目から見ても絵になる2人。
あのお姉さんは、誰ですか？
下の名前で呼び合うなんて‥‥どういう関係ですか？

なんて、、聞けない。

‥‥胸がチクチク痛いや。
醜い嫉妬だと、わかっていても。
私があそこに入る余地などないと悟る。

さっきまでこれ以上ない幸せだと思って浮ついていた気持ちが、どん底に叩き落とされたようだ。

お姉さんの一言一言に、相槌をうつ大倉さん。
私の大好きなくしゃっと目尻にシワを寄せて笑う所もお姉さんは私よりずっと見てるんだろうな。

もやもやとチクチクとする気持ちに蓋をするように、すばるさんが作ってくれたハイボールを一気に煽った。

村「お、おい！こら！一気飲みすな！！」

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