ひとつ屋根の下 Part8

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結局、両親の許可を得て、かかる費用は全部俺が持つことにして、そして今日外泊許可が降りた。



元太) 元太ね！お魚さんみたい！


閑也) お魚か、じゃあ水族館だね


元太) すいぞくかん？


閑也) そう、お魚さんがたくさんいるところ


元太) おさかなさんのおうち？


閑也) お魚さんのお家は海だよ


元太) じゃあ海行きたい！！


閑也) よし、じゃあ両方行こっか！


元太) うん！元太楽しみ！！



仕事が終わって家に帰る前、元太の病室に寄ってどこに行こうかなんて話をする。楽しそうに笑ってくれるのがすごく嬉しくて、俺も密かに元気を貰っていた。



そして迎えた当日、昨日の夜はよく眠れたみたいだし、体調も大丈夫。いつもとは少し違うお出かけ用の服に身を包みご機嫌の元太を連れて水族館に向かった。



閑也) じゃあ今から電車に乗って水族館行くよ


元太) 電車！？げんた電車はじめて！！


閑也) はじめてか、電車の中では静かにだよ


元太) うん、わかった！！



さりげなく繋がれた小さな手を握り返す。今俺がしていることは本当にこの子のためになってるのかな、無理にでも両親を説得するべきだったのかなって今更不安になった。



元太) 閑也？どうしたの？


閑也) ん？あーごめんごめん、ぼーっとしてたね


元太) 次降りる？


閑也) うーん......あと3つで降りるよ


元太) わかった！



不安な気持ちが伝わってもいけないから、少しだけそんな不安を横に置いて、今横にある笑顔を大切にすることにした。滅多にないお出かけ、最高の思い出にしてあげたいから。

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