ひとつ屋根の下 Part8

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松倉side



閑也先生に連れて行ってもらってひだまり学級の教室に来た。久しぶりに学校に来たみたいで嬉しかった。ここが病院であることを忘れてしまうような暖かい場所だった。



閑也) 俺、昔はここに来るのが楽しみだったんだ


松倉) ......むかし？


閑也) そうだなぁ、海斗くんと同じくらいの時、


松倉) 先生も子供の時ここにいたの？


閑也) うん、先生も昔はずっと入院してたんだ



先生がゆっくり服をめくると、大きな傷跡が見えた。手術頑張った勲章なんだってその傷跡を優しく撫でていた。



閑也) ここに来ると病気のこと忘れられたの


松倉) 僕も...学校みたいで.....ここがすき....


閑也) いいでしょ、たまには遊びにおいでよ


松倉) ......うん.....また....来たいな.....



治療頑張って、ここに来るのが楽しみだったんだって先生は言ってた。誰もいない教室は静かだけどみんなが集まればもっと楽しいんだって。



松倉) ねぇ......せんせ.....


閑也) ん？どうした？


松倉) 僕も.....ここに来たい....


閑也) いいよ、先生はいつでも待ってるよ


松倉) ここで.....みんなと.....勉強したい.....



教室に来て暖かいところだと知って、僕もみんなとここで勉強したいと思った。初めての入院だから不安でいっぱいだったけど、ここに来ればその不安も少しだけ消える気がした。



閑也) 大丈夫、ゆっくりでいいんだよ、


松倉) ゆっくり？


閑也) 辛い時は無理に進まなくていいの、


松倉) つらいとき......


閑也) うん、ちょっと難しいこと言っちゃったね



先生が僕の頭を優しく撫でてくれるとすごく安心した。いつか病気を治して、先生みたいな優しい大人になりたいと思った。



松倉) 先生.....ぼく.....大人になれる？


閑也) 大丈夫、だってたくさん頑張ってるでしょ


松倉) うん.....お薬も、けんさも、頑張ってる


閑也) それなら大丈夫、俺も大人になれたから



元太たちが心配しちゃうねって先生に言われて病室に戻った。少しだけだったけど、病気のことを忘れて久しぶりに暖かい気持ちになった。僕もあそこが大好きになった。


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