ひとつ屋根の下Part3

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松倉side



うでに付けたオレンジのミサンガ。俺の大切な人との思い出のものなんだ。俺は信じてるよ、またいつか3人で会える日が来ることを。



＿＿＿＿15年前



海人) あのさ、俺決まったんだよね


松倉) えっほんとに！？


海人) うん、来週からそっちに引っ越すんだ


宮近) 良かったじゃん！おめでとう


松倉) そっかぁ....寂しくなるなぁ



海人の新しい家族が決まった日。今までずっと3人で一緒にいたから寂しくて俺は素直におめでとうって言えなかった。



海人) 小学校もちょっと遠いとこになるんだ


松倉) じゃあ......しばらく会えなくなるね


海人) うん....俺ちょっとだけ寂しいかも


宮近) 大丈夫だよ、友達のしるしなんだろ



俺と違ってちゃかは海人に新しい家族ができたことをお祝いしてあげてた。あの時の俺はまだまだ子供だったな。



3人で過ごした最後の夜。3人でこっそり施設を抜け出していつもの公園に行った。思い出の場所と言えばやっぱりここだったんだ。



海人) ほんとに会えなくならないよね


松倉) うん.....大丈夫だよ.....俺ら家族だし


宮近) そばにいなくても、俺ら繋がってるでしょ


松倉) それに、俺らここにいるし！


海人) そっか.....また会いに来るね



最後の夜はいつもより短く感じた。それから海人が施設を去ってから数ヶ月後、俺も里親が決まった。とっても優しいお父さんとお母さんに出会うことができた。



宮近) もう、松倉泣くなよー


松倉) だって.......ｸﾞｽｯ......


宮近) ほら、これみて


松倉) ん......なぁに.....


宮近) 友達のしるし、俺ら一生友達だから



ちゃかはその時も笑顔で俺を見送ってくれた。車が見えなくなるまで、赤のミサンガがついた手を振ってくれた。



2人は俺の事覚えてるかな。俺は絶対忘れないよ。俺の初めての家族はお父さんでもお母さんでもなくて、ちゃかと海人なんだから。

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