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閑也side
ちゃかと出会ってにもうすぐ1年が経つ。そして俺たちはそんな中でもうすぐ別れの時を迎えようとしていた。
閑也) 今日も昼は屋上でいい?
宮近) ........コクッ....
卒業式まではあと3日。お互い別々の進路に進むから会うことはなくなると思う。ちゃかはクラスにいる時は俺にもまだ他人行儀で結局クラスには馴染めずに終わった
閑也) 相変わらず屋上は人気ないなー
俺が大きな声で言えばちゃかは大きく伸びをした。こんな姿を見れるのも俺の特権なのかな
宮近) もう.....そつぎょう.....だね...
閑也) 寂しくなるなー、卒業しても友達だからな
宮近) ........コクッ.....
お昼を食べてしばらく2人でぼーっとしてた。春の暖かさが今の俺達にはちょうど良い気温でいつまでもこの時間が続けばいいのにって思った
____ギュッ
閑也) ん?どうした?
宮近) .......グスッ.....
閑也) えっどうしたの?どっか痛いとこある?
宮近) .......フリフリ.....グスッ.....
俺の服の裾をぎゅっと握ってきたから顔を覗けば涙を流してた。とにかく背中をさすってあげればだんだんその涙はおさまってきた。
宮近) ....グスッ.....やだ....グスッ...
振り絞るように出した声で言ったのはちゃかからの精一杯のメッセージだった。
閑也) 俺だって寂しいよ、でもまた会えばいい
俺も泣きたいくらい寂しいし、悲しかった。
一方通行だった会話が少しずつラリーするようになった時、俺の言葉に表情で反応してくれた時。どれもすごく嬉しかった。
閑也) だから泣かないで、俺ら離れ離れじゃない
そう伝えると涙を拭いて俺の方を向いてきた。
宮近) ...手....かし...て...
ちゃかは俺の手をとって横に座った。そして指で1文字ずつゆっくり文字を書き始めた。
'' ありがとう だいすき ''
不器用な彼から伝えられた言葉に、俺は嬉しくて涙が出そうになった。
ちゃかが書いてくれた文字をぎゅっと握りしめて顔をあげれば彼はニコッと微笑んで少し恥ずかしそうにしていた。
初めて見た彼の笑顔はどこかぎこちなくて、それが愛おしかった。
閑也) 俺の方こそありがとう、大好きだよ
言葉にすれば短い二言だけど、俺らにとっては1年かかったこの言葉。だからこそ一生忘れない。
どんな事があっても2人で未来を描いていく。そう決めたのは今もまだ俺の隣にいる彼との5年前のお話だ。
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. - https://uranai.nosv.org/u.php/novel/caec3fafa04/←いい評価待ってますと高評価促すより先に、違反してることに気づいてくださいね。二次創作なので、オリ〇ラ、外してください。違反者。 (2021年12月5日 21時) (レス) id: 74b943358d (このIDを非表示/違反報告)
Chappi(プロフ) - イカさん» ありがとうございます! (2021年11月28日 23時) (レス) id: fbcf6f8869 (このIDを非表示/違反報告)
イカ(プロフ) - いつも更新楽しみにしています。設定や展開にもバリエーションがあって、いつも楽しみです。これからも応援しています! (2021年11月28日 20時) (レス) @page45 id: bba6564774 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Chappi | 作成日時:2021年10月23日 15時