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冬休み初日、昨晩から降り続いた雪が綺麗な白い絨毯を作っている。高校生になった今でも、その景色を見ると少しだけワクワクした。
宮近) うわっ......さむっ.....
リビングの窓を開けると冷たい風が吹いていた。家の中は暖房が効いているはずだけどなんだか少し肌寒い気がする。夏はあんなに暑かったのに。
____ガチャッ
宮近) おはよ.....あれ、お母さんここにいたんだ
「あんまり今日は調子良くないみたい」
宮近) そっか.....おはよう、お兄ちゃん
心配そうなお母さんの前にはぱっちり目を開けたお兄ちゃん。不随的に体をよじらせる時はあまり調子が良くない時。
宮近) 今日は寒いね、冷えちゃうから布団かけて
お兄ちゃんの体に布団を掛けてあげても、ベットの上でバタバタと体が動いてすぐにずり落ちてしまう。
宮近) マッサージしたら、楽になるかなぁ
マッサージと言ってもリハビリの先生のように上手にはできないけど、少しでもお兄ちゃんが楽になればと願い込めて手足をマッサージする。
昨日は穏やかだった表情もどこか苦しそうで、落ち着きなく動く目線から伝わってくる。俺はこの姿を見る度に怖くなる。お兄ちゃんのそばに居れなくなるんじゃないかって。
川島) ......かい....と....
宮近) どうしたの?今日は辛そうだね、
川島) .....がっ....こ....
宮近) 学校は今日から冬休みなの、だからお休み
そう伝えると小さな笑顔を見せてくれた。俺はなんだか恥ずかしくなって、顔を背けるようにもう一度お兄ちゃんの体に布団をかけ直した。
夕方頃になるとお兄ちゃんの体調はどんどん悪くなっていった。苦しそうに体をよじらせて、辛そうに呼吸をしている。
宮近) お兄ちゃん、苦しいよね
川島) .......だい...じょ.....ぶ....
苦しいはずなのに、俺の前ではいつも大丈夫と伝えてくれる。お母さん曰く、兄の尊厳があるとの事。普通の兄弟と同じように暮らすことは出来なくても、紛れもなく僕らは兄弟だ。
「海斗もそろそろ部屋戻りな」
宮近) うん、お兄ちゃん大丈夫かな、
「大丈夫、父さんときちんと様子みとくから」
宮近) じゃあ、なんかあったら起こしてね、
「うん、わかってるよ、おやすみ」
様子を見に来たお母さんと変わって自室に戻る。早く寝なさいと言われたけど、こういう日はなかなか眠れない。お兄ちゃんのことが心配だからだけど。
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Chappi(プロフ) - もみじさん» 了解です!しばらくお待ちください( ᐡᴗ ̫ ᴗᐡ) (2022年8月28日 20時) (レス) id: fbcf6f8869 (このIDを非表示/違反報告)
もみじ - 看病役はChappiさんの書きやすい方で大丈夫です!よろしくお願いします! (2022年8月28日 17時) (レス) id: 7d488f5410 (このIDを非表示/違反報告)
Chappi(プロフ) - もみじさん» リクエストありがとうございます!看病役は誰がいいとかありますか?少し時間がかかるかもしれませんが書かせていただきます( ᐡᴗ ̫ ᴗᐡ) (2022年8月27日 21時) (レス) id: fbcf6f8869 (このIDを非表示/違反報告)
もみじ - リクエスト失礼します!アテトーゼ型脳性麻痺の白。冬の寒さで筋緊張が異常に高まり、身体や首が反り返って苦しむ。舌もうまく動かせずとても苦しそうに話す。喉や呼吸筋の緊張が激しくなっていき、気道狭窄で呼吸困難に陥り救急搬送されるお話が読みたいです! (2022年8月27日 20時) (レス) id: 7d488f5410 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Chappi | 作成日時:2022年8月20日 20時