ひとつ屋根の下 Part10

暖かな冬を (白 × 赤) ページ21

リクエスト作品



兄 川島如恵留× 弟 海斗



※すべて弟目線で進みます



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弟side



「冬休み家族で旅行だって、めんどくさいよ」


宮近) いいじゃん、楽しんできなよ


「嫌だよ、俺兄ちゃんに使われっぱなしだし」


宮近) そっか、それは災難だね


「そういえば、お前兄ちゃんいるんだよな」


宮近) うん、いるけど


「なんか、お前の兄ちゃん優しそうだよな」



何気ない友達との会話。世界は不平等だとつくづく思う。俺はきっと家族で旅行なんて一生できないだろうし、お兄ちゃんが優しいのかは正直よく分からない。



＿＿＿＿ｶﾞﾁｬｯ



宮近) ただいま、お兄ちゃん、



家に帰ってベットの上で眠るお兄ちゃん。ふと窓の外を見ると都心にしては珍しく雪が降っている。確かに今日は凍るような寒さだった。



生まれつき重い障害のあるお兄ちゃん。冬になると寒さからか無意識に体が動いてしまう不随運動が多くなる。その時はいつもすごく辛そうだ。



川島) ......んっ.....


宮近) あっ、おはよう、帰ってきたよ


川島) ......おか.....えりっ.....


宮近) ただいま、お兄ちゃん見て、雪が降ってる



お兄ちゃんのそばに行って窓の外を指さす。ゆっくりと窓の方に顔を向けるとじっと雪が降るのを見ていた。



今年の冬休みはゆっくり家で過ごせるといいな。お兄ちゃんはあんまり冬が得意じゃないから、入院しちゃうことが多い。旅行なんかいいから、家族みんなでこの冬を過ごしたい。



「海斗、先にお風呂入っておいで」


宮近) うん、今日寒いね、


「ちょっと心配だけど、安定してるね」



様子を見に来たお母さんは心配そうにお兄ちゃん を見つめている。さっきまで窓の外をじっと見ていたのに、気づけば少しだけ苦しそうに体をよじらせていた。



風呂から出て夕飯を食べて、それからすぐにお兄ちゃんの部屋に向かう。なんとなく今日はずっとそばにいたい気分だ。



宮近) 今年は一緒に居ようね、



窓の外はまだ雪が降っている。綺麗な雪は好きだけど、寒い冬は好きじゃない。お兄ちゃんが苦しい思いをしないように、そう願って自分の部屋に戻った。



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