ひとつ屋根の下 Part10

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元太side



突然の入院に告げられた病名。なんだか全てが突然過ぎてわけも分からないまま始まったこの生活。でも普段通りで居られるのは間違いなく海人のおかげだ。



元太) 今日体調悪いの？大丈夫？


海人) ん？別に平気だよ、


元太) そっか.....ならいいけど、


海人) あーこれ？こんなの体の一部と一緒



昨日はなかった点滴がつけられている海人。入院生活が長いからか特に気にする様子もないけど俺からしたら普通ではない。



海人) お前今日は中庭行かないの？


元太) なんか先生から話があるらしくて


海人) 話ね、なるほどね


元太) なんか嫌なことかな？悪くなってるとか？


海人) 分かんないけど、心配することないよ



海人は俺と違っていつもどこか余裕があって、大人の雰囲気。実際に俺より年上だけど、それよりもっと大人な感じがする。そういうところに俺は少しだけ憧れている。



元太) 海人は手術したことあるの？


海人) 子供の頃にね、最近はないけど、


元太) 手術って怖い？


海人) 寝てれば終わるよ、それだけ、


元太) それほんと？信用できないよ、



不安を隠せない俺に対していたずらな顔をして笑う海人。少しでも不安が無くなるように笑ってくれているんだろう。俺はそんな彼に救われた気がした。



海人) なに、お前手術すんの？


元太) ううん、まだ決まったわけじゃないけどさ


海人) そんなビビるほどのことでもないよ


元太) それは海人が大人だからだよ


海人) 大人ね、別に大人でもねぇけど



そう言って小さく笑った海人はさっきまでのいたずら顔ではない。どこか寂しそうで悲しい顔をしていた。でも俺は、それがなんでか分からなかった。



「元太くん、お話あるから少し移動するよー」



看護師さんが俺の事を呼びに来て、俺はその背中をぼーっと追いかける。病室を出る時に海人の方をちらっと見れば口パクで大丈夫と言っていた。


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