遠 距 離 最 強【ブラクロ】

猿って実際ケツ真っ赤で恥ずかしくないんだろうか ページ8

･


「視界悪いし、射線通りにくいし最悪だな。」

アスタが敵と対峙するのをスコープ越しに見ながら呟く。数発、相手の攻撃を撃ち落としたが、しばらくしない内にノエルに続いてレオポルドが加勢したので、自分の出る幕はもう無さそうだ。
そうして、それにしてもとAは阿鼻叫喚の王都に目を移した。相手の狙いは何なのだろうか。そう思った時、複数の魔力が消えたのが分かる。恐らく魔法騎士団員。消えた魔力がどれも騎士団のものということは彼らを狙ったのだろう。国王が狙いなのかと思ったが、多分違うな。王宮の方の魔力は消えてない。アスタらの方も無事。私も無事って事はこっちに何か狙いがある。きっとこの辺は相手のマーキング外だったんだろう。
騎士団長にも悟られない程腕のいい空間魔導士がいるのだとしたら、目的の人物だけを狙って連れ去れば良かった。だから多分狙いは人じゃない。他に目的がなくて、この襲撃自体が狙いなのだとしたら相手は相当な阿呆だ。誰かを連れ去るのが目的だとしても阿呆だが。

「よく分からん連中だな。」

このまま暴れてるだけの阿呆なら楽だが、五人の魔道士によって常に魔法障壁が張ってる王貴界へ侵入して来た連中だ。仕組みを分析して侵入したのか、賄賂でも渡したか、はたまた殺しでもしたか知らないが計画性のない犯行ではないはず。だから何かしらの目的はある。何であれ警戒しとくに越したことはないと、ライフルのスコープを覗いた。





ラデスを拘束したフエゴレオンだったが、突然現れた足元の空間魔法に一瞬思考が止まった。フエゴレオンを呑み込まんばかりの空間魔法に、レオポルドもアスタも呆然とした。
狙いはフエゴレオンだったかと、空間魔法を狙って瞬時に引き金を引いたが一手遅く、フエゴレオンは姿を消した。

一手で変えてこその遠距離最強→←狙撃手は援護が花道らしいので

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す