プリンはぐちゃぐちゃでも美味い ページ21
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ぱたり、と地面に転がって鼻ちょうちんを膨らませる男から取られたピストルを回収した。睡眠弾でも撃ち込んでしまえば彼の機動力など取るに足らない。他の連中なら勝機はあっただろうに、Aに会ってしまったばかりに早々に退場となった。
地面に転がる男を一瞥してその場を立ち去る。その時感じた膨大な魔力にAは顔を歪めた。この出鱈目な魔力は先日ネアンの洞窟で感じたのと同等だ。白夜の魔眼の狙いも魔石。ならばここに現れるのも不思議ではなかった。
『今ゲームにヤベー乱入者が来ちまった。そいつは白夜の魔眼の幹部で騎士団団長とタメ張る強さの野人みてーなヤツだ。』
状況を見ていたヤミの声にこんな時でも口元が緩んだ。死んだら殺すなんて、相変わらず滅茶苦茶な事を言う男だ。
「__あ、あれ、バネッサじゃん。」
珍しく酔ってない、という余計な一言は飲み込んだ。ヤミにあれだけ言われたらじっとしてる訳にもいかないだろう。
「アンタも今から行くとこ?」
「いや行かない。近付きすぎると勘づかれそう。」
「あぁ、Aは一度会ってるのね。どうだった?」
帽子を被り直すバネッサに「死ぬかと思った」と素直に返せばケラケラ笑う。笑い事じゃない、と呆れつつライフルを構えた。まさかここからやる気なのかと目を丸くするバネッサに頷く。
「私は遠距離最強だから。どこからでも撃つよ。」
「頼もしいスナイパーね〜」
それじゃあ私は前線で頑張ってくるわ、とひらりと手を振って立ち去るバネッサを見送った。
人を助ける為のものを人は魔道具と呼ぶ→←あったかもしれない未来に思いを馳せる
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ラッシーはん(プロフ) - 待って返信きた!?すごく続きも楽しみですし書き方参考にさせて頂いてます!!対比しているってとこはアスタ=近距離主人公=遠距離みたいなもんですかね!間違ってたらゴミ出しに出されてきます。そして畑の肥やしに生まれ変わってきます。無理なさらず頑張ってください!! (6月6日 20時) (レス) id: 848084950d (このIDを非表示/違反報告)
Hana(プロフ) - ラッシーはんさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです!もう一人のアスタの話だと思って読んでいただけたらと思います。対比してる部分も作りたいなぁと思ってるので、楽しみにしていただけたら嬉しいです! (6月6日 15時) (レス) id: 906e49b810 (このIDを非表示/違反報告)
ラッシーはん(プロフ) - こんなに短く簡潔で面白くて凄いです!!めっちゃ応援してます!! (6月5日 2時) (レス) @page2 id: 722157c700 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Hana | 作成日時:2023年6月2日 22時