起きて飯食ってクソするのと同じこと ページ11
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飛ばしたはずの魔法騎士団の思わぬ登場にヴァルトスは顔を歪めた。団長を含めた魔法騎士団との戦闘は分が悪い。そう判断したヴァルトスは撤退の姿勢を見せたが、ノゼルが許さなかった。普通に戦えばノゼルの圧勝だっただろうが、裏魔道具を使用したゲル魔法に威力を殺された。その隙にヴァルトスは空間魔法を発動し、ついでだと言わんばかりにアスタを攫って姿を消した。
アスタが連れてかれてしばらく後に現れたのはAだった。箒を片手に酷く疲れた様子だ。聞けば2キロ程箒飛行をしただけだと言う。
「それでそんなにバテてるの…?」
「そうだよ、君ら王族と違ってミジンコ程の魔力しか持ってないの。」
驚きのような呆れのような、そんな声色のノエルにAはジト目で返した。狙撃の腕は凄い様だが、魔力がこれ程乏しいとは。魔法騎士団で一番魔力の少ないのはAだろうなと思った。
「で、アスタは?」
辺りを見渡して尋ねたAに事のあらましを伝えた。時間としてそう長く経っていない間にそんな事があったのかと呟く。アスタを探しに行かないとと主張したノエルだったが、彼らの魔力も追えないし、また攻められる可能性だって無い訳じゃない。整備体制を整えるのが優先だった。
「うちの団長が選んだ新人なんだし大丈夫だよ。多分、きっと。」
その後、警備体制を整え、妨害されていた通信魔法の修復に取り掛かった。フエゴレオンは医療棟に運ばれ治療を受けている。一命は取り留めたようだが、いつ目覚めるか分からない状態らしい。アスタの行方も分からないまま。空気が沈んだ時、彼らの前に姿を現したのはアスタを抱えた魔法帝だった。魔法騎士団は今回の事を受け止め、更に強くなると誓い解散した。
「A先輩!」
「うん?」
各々が自団のアジトへと戻っていく中、先を歩くAにアスタは声を上げて呼んだ。振り返り足を止めたAにアスタは、戦闘中での礼を告げた。一瞬首を傾げたAだったが、すぐに何の事か察したらしいAはひらりと手を振る。
「いいよあのくらい。礼を言われる程のもんじゃないし…あの程度、私にかかれば朝飯前だよ。」
さっさと死んじまった方がまだマシなこの世界で→←地味だが厄介
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ラッシーはん(プロフ) - 待って返信きた!?すごく続きも楽しみですし書き方参考にさせて頂いてます!!対比しているってとこはアスタ=近距離主人公=遠距離みたいなもんですかね!間違ってたらゴミ出しに出されてきます。そして畑の肥やしに生まれ変わってきます。無理なさらず頑張ってください!! (6月6日 20時) (レス) id: 848084950d (このIDを非表示/違反報告)
Hana(プロフ) - ラッシーはんさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです!もう一人のアスタの話だと思って読んでいただけたらと思います。対比してる部分も作りたいなぁと思ってるので、楽しみにしていただけたら嬉しいです! (6月6日 15時) (レス) id: 906e49b810 (このIDを非表示/違反報告)
ラッシーはん(プロフ) - こんなに短く簡潔で面白くて凄いです!!めっちゃ応援してます!! (6月5日 2時) (レス) @page2 id: 722157c700 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Hana | 作成日時:2023年6月2日 22時