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「じゃーな、たくみおつかれー」
拓「おー、おつかれ」
今日もいつも通り部活をして、ヘトヘトになりながら暗くなった道を帰る。
今日も練習ハードやった…
もう動きたくない。
重い足を引きずって駅まで携帯を見ながら歩いていると、
見慣れないアイコンからのメッセージが来ていた。
カナはじめまして、急にごめんなさい
カナ生徒手帳、拾ったので預かってます!
…誰これ。
カナ？クラスにはおらん名前…
生徒手帳？俺の？
たしかリュックの横ポケットに…
背中に手を伸ばしてポケットを探すと、チャックが開いていた。
中に手を入れても案の定生徒手帳は無い。落としたんか…
えー、知らん人に拾われたん…
ありがたいけど、名前的に女の子やし、
中に写真も入ってるし…
感謝しつつ複雑な心境になりながらもお礼の返事をし、家に帰った。
すぐお風呂に入って、ご飯を食べて自分の部屋に戻り、
最近ハマったバンドがあるから、そのCDをわざわざプレーヤーにかけて聞く。
音楽アプリでも聞けるけど、やっぱりCDから聞くんがええよな〜
いい気分になって携帯を見るとさっきの子から返事が来ていて、
月曜返しに来る、って…
あー、そっか…
やっぱり会わないかんのか
…あんまり、気ぃ進まんなぁ
落としたん俺やけど。
どこから連絡先を知ったのか、
今まで知らん女の子から連絡来ることあったけど
なんていうか…いい印象ないっていうか。
正直言うと、女の子は苦手。
彼女も作る気せんし、今は野球だけに集中してたい。
この子はでも拾ってくれたし、落とした俺が悪いから会わないかんけどさ…
どんな子なんやろ。
何気なく、この子のラインのアイコンを押した。
拓「………えっ？！」
びっくりして思わず声が出た
だって、この子のホーム画面！
俺がちょうど今聞いてるバンドの写真やん！！
うそやん、この子も好きなん？！
まってまって、嬉しい。
びっくりの衝撃と、共通で知っている人を初めて見つけた嬉しさで
心臓の動きがどんどん早まる。
気づいたら俺は、その子のトークを開いて
たくみそのバンド好きなんですか?!
たくみホーム画面のやつ!
いつもなら自分から話題なんか振らんのに
上がったテンションのせいか、躊躇うことなく送信ボタンを押していた。
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作者名：らん
| 作成日時：2021年7月7日 0時
