センス爆発ライオンと繋がりたい (ページ48)

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照れよりも彼の愛おしさの方が勝って、恥ずかしい気持ちはどこかへ飛んだ。

彼が好き。

それをただ伝えたい。

拓「そっち行ってもいい？」

『いいよ』

隣の席から立ち上がって、私の目の前の席に後ろを向いて座った。

つまり向かい合わせ。

お互いの気持ちがわかった以上、ちゃんと言ってほしい。

この前は奨くんに遮られちゃったもん。

『ねぇ、この前言おうとしたこと、言って？』

拓「…ずっと気づいてたん？」

『ふふ、どうだろうね』

拓「いややぁ、もぉ…！」

『やなの？笑』

拓「いややない…」

どっちなの笑

私、恥ずかしそうに照れる川西くんの姿が好きなのかもしれない。

もっと困らせたくなる。

よし、言う！とほっぺをペチペチと叩いて気合いを入れた川西くんは私の目をを見た。

拓「…カナちゃんが、好きです

これからはもっと近くで

ずっと一緒にいてほしいです」

『…私も、川西くんが好き。

私でよければ、一緒にいます』

数秒の間があって、2人同時に笑いあった。

誰もいない2人からの教室で、だなんて

ベタだけど一番青春っぽいね。

拓「カナって呼んでもええ？」

と、慣れてない感満載で私の手をむにむにと触りながら言ってくる。

かわいい顔して手はちゃんと男の子なんだから、ずるいよね

『うん、嬉しい。呼んで？』

拓「…カナ……ちゃん」

『呼べてない笑』

拓「下の名前で呼ぶ人はじめてやもん…」

ひゃ〜とまた手で口を隠しながら笑う彼。

彼の全部が愛おしい。

はじめはただ、落とし物を拾っただけなのに

こんな素敵な人と繋がることができた

これを運命と言わないなら、なんて言うのかな

『じゃあ、帰ろっか』

拓「…家まで送ってもいいですか」

『はい、お願いします笑』

想いが通じ合った今、彼といる時間が一番幸せ。

思い返してみれば、最近のほとんどの時間を彼とのおしゃべりに使ってたから

彼を好きにならないという道はなかったのかもしれない。

かわいくてかっこよくて頼りになる、最高の彼氏さん。

『…拓実くん』

拓「……えっ？！いま名前…！」

『手繋いで帰ろ』

拓「えっうん、はい！まって、それより名前！」

これから先もずっと一緒にいれますように。

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