センス爆発ライオンと繋がりたい (ページ42)

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ばたん、と玄関を閉めた途端、急いで靴を脱いで階段を駆け上がり、

自分の部屋じゃない部屋に、ノックもせず入った。

『…もう、奨くん！！なんで邪魔するの！！』

奨「おかえり。邪魔した？ほんと？」

『したもん、絶対勘違いされた…』

反省をしてない…というか自分が何かしたことに気づいてない彼はいつも通りふにゃっとした話し方をしている。

コーヒーを机の脇に置いて、優雅にパソコンをいじる彼の背中にくたっと倒れ込んだ。

奨「デート楽しかったの？」

『…楽しかったよ、最後のがなければ』

奨「カナが楽しかったんならお兄ちゃん嬉しいなぁ」

『ねぇ聞いてた？最後のがなければ、だよ』

奨「ああぁ揺らさないで、打てないでしょ」

肩を掴んでぐらぐら揺らすと、されるがままになって笑ってる。

奨くんは、私のひとつ上のお兄ちゃん。

通ってる高校は違うから私に兄がいるとあんまり知られていない。

無駄に筋肉があるし顔も濃いから、初めて見る人は絶対にびびっちゃうのに。

川西くんもあのあと元気なかったけど、変に勘違いされてないといいな…

せっかく、あのとき…

伝えてくれそうになってた…のに。

自惚れじゃなくて、前々から感じてはいたし

あの言葉選びと流れで違うならばなんだと思うほど。

…言って欲しかったなぁ。

せっかくいい雰囲気だったのにさ。

…このでかいネコが、さえぎった。

こっち見て首をかしげたって、許してあげない。

『奨くんほんと、空気読めない』

奨「めっちゃ言うじゃん。ごめんって〜、ね？」

『そんなだから彼女できないんだ』

奨「そうかも」

はいはいと怒る私をあしらって、大きい手で頭を撫でられる。

これは奨くんの小さい時からのクセで

私を黙らせたいときに使う手段。

完全に拗ねた私は奨くんのコーヒーを全部飲んで部屋から出た。

カナ今日はありがとう!
カナ楽しかった

たくみ俺も
たくみありがとう

…気にしてるかな、帰り道のこと。

でも自分から話題に出して否定するのも、自意識過剰すぎるかも…

もやもやと悩んでいると、

たくみ見て、俺のホーム画面

なんだろうと川西くんのアイコンをタップすると、その後ろに大きく映ったのは

私と撮ったプリクラだった。

…相当楽しかったのかな。笑

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