センス爆発ライオンと繋がりたい (ページ14)

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寝る前に、最近始めたストレッチをしていると、携帯に着信が入った。

見ると彼氏で、もう12時近いのに…と、喜びよりも先にそんな気持ちが生まれてしまう。

『…もしもし』

樹「あーカナ？なにしてんの？」

『もうすぐ寝るところだよ』

樹「はっや。てか久しぶりじゃん、話すの」

だってバイト忙しいって言ってたじゃん。

連絡も私からじゃないと何もないし。

『…樹、バイト詰まってるって言ってたからね』

樹「…あー、そうだっけ。そうだわ、俺最近めっちゃ忙しいんだよね」

『そっか、頑張ってね』

樹「おー。…最近なにしてんの？」

『最近？最近は…』

なにしてるかな、最近

ここ数日のことを思い出してみた。

…でも、

あたりまえだけど、

頭の中には川西くんしか出てこなくて。

彼と毎日話すことが日常の一部になったからだ…

でも樹に川西くんのことを話すわけにはいかない。

『…野球の試合とか…見てるかな。』

樹「なんで野球？バスケじゃねーの」

『私、野球好きなんだよ』

樹「へー、そうだっけ」

『…そろそろ寝るね、おやすみ』

樹「おー、またな」

ピッと電話を切り、ふうとため息をついた。

野球好きって、前言ったけど…

彼はバスケしか見ないから覚えてないんだな、きっと

一応連絡はくれたことは良かったけど、でもまた忙しいみたいだし

これからも会う時間は無さそう。

ストレッチの続きをしようと携帯を置こうとすると、通知が来た。

…あ、川西くんだ

彼だとわかった途端、その手を止めてメッセージに見入ってしまう。

たくみもう寝た?

たった五文字。

それだけで私の鼓動は簡単に高鳴る。

…彼はわかっているのだろうか。

カナ寝てないよ

たくみカナちゃんさ
たくみ甘いもの好きやんな?
カナうん、好き
たくみやんな

甘いもの好きって、話し始めた当初に言った気がする。

確か、川西くんとの共通点の一つだった。

…覚えてるんだ。

たくみいちごミルク好き?
カナ好き!
カナなんで?
たくみなんもない!
たくみおやすみ!

…なんだったの

いちごミルク、好きかどうかの確認だけされた笑

何気ない、一瞬の会話なのに

心がほっこりするのは、彼の不思議な力のせい。

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