爽やかスマイルにご注意を (ページ42)

今日:12 hit、昨日:166 hit、合計:336,974 hit

41 ページ42

・

え。とでも言うような顔をして私を見る純喜くん。

彼の腕を元の位置に戻して、

私もまた話を続けた。

『純喜くんね、あの日私が不満をぶつけちゃったとき、

私が嫌なら全部直すって言ってくれてたけど、

嫌なとこなんてないんだよ？私の気持ちの問題なの。

純喜くんの明るくて人に愛される性格、私大好きだから。

…大好きだから、そこは変えてほしくない。』

私が不満に思ってしまったところは全部彼の良さからきているところだから。

純喜くんに悪いところはないんだよ

眉を下げて目をうるうるさせてこっちを見る大好きな彼。

ふぅ、と深呼吸をし、

しっかりと彼を見つめた。

『私は純喜くんにはずっと笑っててほしい。時間を自由に使って欲しい。

…だから、一緒にいるべきじゃないと思うの』

純「………え？」

ぽかんと口を開けて、何を言ってるのかわからないという顔をする。

…ついに言っちゃった。

純「別れるって、こと？」

『…うん、ごめん』

純「いやや、そんなん」

『…ごめん』

純「いやや！！」

目を見開いたまま、嫌だと言う。

それに私は謝るしかできない。

純「いやや、だって俺

カナのことほんまに好きやもん！！！」

ガッと肩を掴まれて、目の前にいるのに大声でそう言う純喜くん。

それを聞いて、

純喜くんが告白してくれた時のことを思い出した。

あの時もこうやって、肩を掴まれて

大声で伝えられたなぁ、って。

純「たしかに俺は友達大好きやし遊ぶのも好きやし、

散々カナに寂しい思いさせといてなんやこいつって思うかもしれへんけど！！！

でも俺は！！カナが1番やねん！！！」

『…そうなの？』

純「ほんまに！！！信じて！！！

だって俺、カナおらな全然笑えへんもん。

学校なんか全然楽しくないし、友達とおってもカナのことばっかり考えてるし、

カナの笑った顔は俺にとってめっちゃ特別で…！

俺もカナの性格ほんまに好きやし！！！」

彼は焦ると早口になる。

そして思ったことをストレートに伝えてくれる。

嘘じゃない、と真剣な目から痛いほど伝わるから、

私の無理矢理決めた、別れるという意思は簡単に揺らぎそうになってしまう。

・