爽やかスマイルにご注意を (ページ31)

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泣き疲れて、もう寝てしまおうかとベッドに横になったとき

外から、声が聞こえた。

純「カナー！！！出てきて！！！ちょっとでええから！！！」

『えっ…？なんで、来たの』

自分の部屋のカーテンをシャッと開けると、

そこには走ってきたのか、髪も乱れてて

膝に手をつきながら私を呼ぶ彼がいた。

なんで、あの女の人は？

びっくりして動けずにいると、ちょうど顔を上げた純喜くんと目が合ってしまって

慌ててカーテンを閉めた。

純「っカナ！！！！

こっち来て、ホンマに話したいねんって…！！」

『…どうしよ、』

まさか本当に来るとは思ってなかったし、

ついさっき距離を置こうと言った手前、簡単に会うわけにはいかない。

時間も考えず叫ぶ純喜くん。

どうしよう、これじゃ周りの人の迷惑にもなる

とりあえず彼に連絡を入れて、叫ぶなと送ろうと思い携帯の電源を入れると、

彼からの大量の不在着信とラインが一気に届いた。

会わなければいけないのかと頭を抱えていると、

ふと彼の声がしなくなった。

…？

もう諦めて帰ったのかな

そう思って窓の外を見ようとすると、また新しく携帯から通知が入る音がした。

…純喜くんかな？

しかし、それは予想とは外れて

るきさまねー、純喜うるさい

るきさまカナに会いたいって言ってるけど?

『…瑠姫くん！』

そうだ、瑠姫くんと私は家が隣だから、

私の家の前で叫ぶ声は瑠姫くんの家にももちろん届いてるはず。

窓の外を見ると、

ヘアバンドで髪を上げた部屋着の瑠姫くんと純喜くんがなにやら話している。

…何話してるんだろう、

瑠姫くん、怒ってるような…？

そっと確認していると、今度は瑠姫くんと目が合い、

携帯見ろ、とスマホをフリフリしている。

慌てて瑠姫くんとのトークを開き、

カナごめん、会いたくない
カナ帰ってって言って

と送った。

るきさまいいけど

るきさまほんとにいいんだな?

カナ今は、会えない

そう送った数分後、

るきさま帰らせた

と連絡が来た。

…よかった。

せっかく来てくれた彼には悪いけど、

今はお互いに冷静になるべきだと思う。

そう思いながらも、彼への罪悪感で胸の奥がちくちくと痛んだ。

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