爽やかスマイルにご注意を (ページ29)

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限界だと感じた途端、涙が溢れて止まらない。

視界がどんどんぼやけて、息も苦しい。

ワンピースに、どんどんシミが出来ていく。

純「…カナ？大丈夫？ちょ、返事して」

『なんでいつもっ…純喜くんはそうなの？』

純「えっ…？」

『いくら友達だって言っても…っ女の子だよね？

私がそれ聞いて、なんとも思わないと思ってるの？』

純「…カナ？」

『もう限界だよ…っ』

ストッパーが外れてしまったから

言えなかったことがどんどん口から出ていく。

あれだけ言えないと思っていたのに。

純「ちょ、待てって。ホンマになんもないねん、ただの友達なんやって」

『友達、友達って…友達ならなにしてもいいの？

私といるとき、他の女の子のことばっか考えてさ。

誕生日プレゼント、私に聞くって何？

何考えてるのか全っ然わかんない。』

口からすらすらと言葉が先走り、気持ちが追いついていかない。

自分でも何を言ったか覚えてないけど、

頭ではなく心で喋ったから、全部本心なんだと思う。

『今日だって、会えるって…嬉しかったのに…っ

どうせその子だって、

体調悪いなんて純喜くんと一緒にいるためのうそっ…

純「カナ」

低く、静かに名前を呼ばれて

今まで勢いよく話していたのが止まった。

必死だったせいか、はぁはぁと息切れがする。

純「それ以上言うたら、俺もさすがに怒るわ。

俺のこと言うのはええけど、友達は悪ない。」

彼のそんな声は、聞いたことがなかった。

何も言えなくて、ただ涙がぽたぽたと頬を流れた。

確かに今のは、憶測だけで言ってしまった私が悪い。

それでも、彼に受け入れてもらえなかったことがつらくて

『……純喜くん、

　私たち、距離置こっか。』

純「………は…？距離、置く？」

今はもうこの辛さから解放されたくて

思わずそう言っていた。

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