爽やかスマイルにご注意を (ページ26)

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彼も言いにくそうな顔をして、もごもごとそう言った。

あぁ、なるほど

世間一般的には、

〈そういう場に行く時は彼女に聞いてから行く〉

それが純喜くんのなかであるってことか

…別に私を気遣って言ったわけじゃないのね。

顔に行きたいです、って書いてる

『…いいじゃん、楽しんできてね』

純「…ええの？」

『うん。行きたそうな顔してるもん笑』

純「いや、そらまぁ行きたいけど。ありがとおカナ」

クラスの、ってことはマキさんも今日いたもう1人の人もいるってことか。

あの人たちだけじゃないんだろうな

彼を特別に思ってるのは。

優しい純喜くんは攻められれば断れないだろうから

簡単に取られていきそうで、こわい。

純「あ、ほんなら、その帰りにカナに電話してもええ？」

『電話？…いいけど、なんで？』

純「いや、絶対カナの声聞きたなると思って。」

ふにゃっと笑って、こっちを見る純喜くん。

目を合わせると、自分で言ったくせに照れてる。

…この顔を見れるのは、私だけがいいなぁ

『じゃあ待ってる。あんまり夜遅いと寝ちゃうかも』

純「遅なってもかけるわ。3秒でええから出てや？」

『3秒なんてすぐだよ笑』

純「声聞けんよりはマシや」

言ったあと照れるくせに、サラッとこういうこと言っちゃうとこ。

嫌なことがあると、好きかわからなくなるのに

こういうこと言われると、気持ちが溢れそうになるくらい好きになるの

私って単純かもしれない。

『ねえ純喜くん』

純「なにぃ」

『私のこと好き？』

純「めっちゃ好きやで」

『どのくらい好き？』

純「カナが思っとる32倍くらい好き」

『ほんとに？』

純「ホンマに。どしたん、カナ」

『なんでもないよ、ありがとう』

ちょうど私の家の前に着いた

いつもこんなこと言わない私を不思議そうに見る彼に、

ぎゅうっと抱きついた。

彼に私の気持ちが伝わりますように。

お友達との時間を減らせなんか言わないから、

もう少しだけ私のことを考える時間が増えますように。

純「カナ、こっち向いて」

私の頭を撫でながらそう言う甘い声

素直に顔を上に向けると、

純喜くんは私に優しくキスをした。

もう一度ぎゅっと抱きしめ返してくれたあと、

じゃあ明日電話するな、と言って帰って行った。

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