爽やかスマイルにご注意を (ページ25)

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ホームルームが終わり、帰る準備をしていると廊下に純喜くんが来ているのが見えた。

…あれ、私に手振ってる

何か言うことでもあるのかな？

なんだろうと思って、小走りで純喜くんのもとへ行った。

彼はなぜかきょとんとした顔をしてる。

純「…あれ、カナ、かばんどこ置いたん？」

『へ？かばん？』

純「帰らへんの？」

『……あっ』

そこでハッと気づいた。

あぁ、迎えに来てくれてたんだ！

…前まではこれが普通だったのに

いまは"用があるのかな"って思うようになってるなんて。

自分でもびっくり。ほんとに。

急いでカバンを持ってきて、純喜くんの隣を歩いた。

純「びっくりしたわホンマ。ボケたんかと思った」

『ごめんって笑

　今日は、一緒に帰れる日なんだね。』

純「…"今日は"？…ずっと一緒に帰ってたやん」

何気なく言った言葉だったけど、

純喜くんは何か引っかかったみたいで聞き返してきた。

眉を顰める彼に、やばいと思って焦る。

『な、なんでもない。いつも来てくれてありがとう』

純「ええよ、あたりまえやん」

笑って誤魔化すと、純喜くんは嬉しそうな笑顔に戻った。

…よかった、

彼の前では、いい彼女でいないと。

純「そうや、今日はごめんな。いきなり絡まれて怖かったやろ？」

『…あぁ、マキさんのこと？』

純「おん。あいつ俺のこといつもいじってくんねん。

今日も俺の彼女やからいつもの癖で絡んだだけやと思うわ。

許してやってや」

『…別に、怒ってないよ』

純「ホンマに？優しいなぁカナは」

純喜くん、

最近私といるときいつもマキさんの名前を出すね。

あなたが言わなければ、忘れることだってできるのに。

優しい？当たり前じゃん。

純喜くんに嫌われないように必死なんだよ？

寂しいのに、言えないんだよ？

…はぁ、言えたらどんなに楽かなぁ。

純「あ、そうや。
明日クラスのみんなでご飯行くことになってんけど、

…行ってもええ？」

『…へ？なんで私に聞くの？』

驚いて目を見開いて彼を見た。

いつも聞かないで遊びに行くじゃんか

なんで急に？

純「いや、聞いた方がええんかなって…？」

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