爽やかスマイルにご注意を (ページ17)

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放課後になると、純喜くんが教室まで迎えにきてくれた。

廊下から手をぶんぶん振って、きらっきらの笑顔で私を待つ彼のもとへいくと、

満足そうに笑って当たり前のように手を繋いでくれる。

純「ほんなら、行こか！俺めっちゃ楽しみやった！」

この笑顔を私だけに向けてくれるこの時間だけは、モヤモヤしていた悩みなんかふっとんで、

彼のことで頭がいっぱいになる。

『私も。ポップコーン食べようね』

純「ポップコーン何味派？俺は塩やな」

『え〜私キャラメルがいいな。でもプレッツェルも好きなの』

純「両方買ったるよ」

歩く時は自然と車道側を歩いてくれるし、

電車に乗れば、私がフラつかないようにそっと支えてくれる。

彼はさも当たり前のようにサラッとしてしまうけど、私はいちいちときめいてしまって

彼の優しさに、より彼を好きになる。

電車に乗ってショッピングモールまで行き、ちゃんと2種類のポップコーンを買ってくれて映画を見た。

純喜くんはリアクションがいいから、

アクションシーンでは口を開けて見入っているし、

ラストの感動的なシーンになると目を潤ませて、たまに鼻を啜っている。

それをチラ見して、楽しむ私。

ほんとに、彼といれば楽しくて、飽きない。

彼のことが好きな気持ちばかり募る。

『…ねぇ、泣きすぎじゃない？笑』

純「だってぇ…あそこであいつが出てくるなんて思わへんやん…！幸せになれよ…！」

映画を見終わった後、少し休憩ということでモール内のカフェに来た。

ほんまよかったわぁ、と人一倍感情移入して映画の感想を語る彼。

目も鼻も赤くていかにも泣きました！って顔。

でもそんな彼も愛おしくて、写真を撮ってストーリーにあげた。

純「あっ何撮ってんねん！」

『ふふっストーリー見てみて』

純「ストーリー？…なになに、

《純喜くん泣きすぎ、でもそんなとこも好き》…！？

　っおれも好き！！！！」

『あはははっ』

ニヤニヤしてずっとそのストーリーを繰り返し見てる彼。

側から見れば、幸せなカップルとしか思えない会話。

この時はただ楽しくて、悩んでいたこともすっかり頭から抜けていたのに

この後急に、さらに悩ませることが起きた。

純「あ！ちょっと雑貨屋とか行かへん？」

『いいよ〜欲しいものあるの？』

純「いや、マキちゃんて子の誕生日近いねん。」

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