不器用エイリアンのほんと (ページ10)

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翔「はい完成〜やっぱ俺すごいよ」

『わ〜！ほんとにすごい！ありがとう！』

セットが終わり、初めて鏡で全体を見たけど、どうなってるんだろうこれ

絶対自分じゃできないな…すごいかわいい！

触覚を少し残し、両サイド編み込みで緩いお団子ヘアに。メイクも薄くだけどしてもらった。

女子の中の女子になれた気分だ…

翔也くんにお礼を言って、そのまま30分くらいずーっと話してた

翔「そろそろ練習終わるだろうし、ダンス部行こうよ！」

『あ、でも汐恩に教室にいるって言っちゃった』

翔「え〜〜でも早く見せたいし、汐恩も喜ぶから！」

汐恩が喜ぶ、かぁ

ほんとに喜んでくれるかな

来るなって言われたけど…でも、

私も早く会いたいし早く見て欲しいし、なにより汐恩が踊ってるとこ見てみたい。

いつもは無理に行ったりなんかしないけど、

『よし、行っちゃおっか』

女の子ってすごいね、
少しおしゃれしただけで心も変われちゃうから。

るんるんの翔也くんとダンス部のレッスン室へ。

躊躇うことなくドアを開けて中へ入っていってしまった。

えぇ、わたしどうしたらいいの
何で置いてくのよこのウサギ！

ドアから中を覗くと練習はたった今終わったみたいで、部員がバラバラと解散していた。

汐恩はどこ…？いないなぁ

首を精一杯伸ばして中を見渡していると、

「…あの、誰探してるん？」

『ひゃっ？！？！』

後ろから急に話しかけられて、変な声が出た

「あああごめん！誰か待ってるなら中入っていいけん！」

びっくりして振り返ると、多分先輩なのかな？

キツネに似てる、笑顔が素敵な人だなぁ

ありがたく中に入れてもらって、翔也くんと先輩と一緒に話しをした

川尻蓮です、と自己紹介してくれた先輩は翔也とも仲良いらしくて、汐恩を待つ間いろんな話をしてくれた。
気づけば周りには他の部員さんもいて、ちょっとした集まりができていた。

汐恩、まだかな…

汐「じゃー俺帰りま、、え？」

『あ、汐恩！おつかれさま』

制服に着替えてリュックを雑に背負った汐恩が川尻先輩に挨拶に来たのか、レッスン室に入ってきた。

私を見つけたとたんくりくりの目をまんまるにして驚いている。

やっと会えたと嬉しくなる私とは

正反対に、

汐「…なんでおるん」

汐恩の顔は怒っているようだった。

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