不器用エイリアンのほんと (ページ35)

今日:59 hit、昨日:90 hit、合計:331,715 hit

34 ページ35

・

『汐恩はいっつも返事冷たいし、私の方全然見てくれないし、ラインの返信も遅いし…

正直、なに考えてるかわかんなかった。』

汐「…おん。笑」

『せっかく可愛くしてもらった髪もメイクもあんまり褒めてくれないしさ？

レッスン室行ったら急に怒るしさ、もうわけわかんない。』

汐「それは、まぁ…後で言うわ笑」

『…あと、私には全然手出してこないし。それなのに結城さんには触っちゃって。』

汐「…おん。」

『手振り解かれたときもすごく悲しかった。その後も話せなくなっちゃったし…

もう、終わりなのかなって思った』

だんだんその時の気持ちが蘇って来て、言うのが辛くなってくる

そしたら汐恩はさらにぎゅっとして、頭を撫でてきた

『…でも、汐恩のこと嫌いになれなくて。このまま終わるのは絶対嫌だ、って思っちゃった』

あは、と笑って言うと、汐恩は体をゆっくり離して、

汐「俺のことまだ、好き？」

と聞いてきた。

…そんなの、

『あたりまえじゃん、…私はずっと好き』

汐「おれも」

嬉しそうにそう言う彼

私たちに必要だったのは、しっかりと話し合うことだった。

話し合えば、気持ちは一緒なのに気づけたのに、

それをしなかったから色々すれ違っちゃったんだね

『こっち座って』

汐「ん」

汐恩を私の横に座らせた。

『ちゃんと素直に言えばよかった。』

汐「おん、そやな」

『翔也くんとかにも心配かけちゃったし』

汐「俺も碧海に背中押されたわ…

　て、待て、こら」

急に汐恩がムッとしたけど、理由が分からなくて首をかしげる。

汐「…かわい。やなくて、なんで翔也のこと名前で呼んでるん。いつから仲良かったん。」

『えと、友達の彼氏の景瑚くんの紹介でたまたま…？

あ、アレンジやってもらったのも翔也くんでね、元気なくしてたらいちごミルク…』

汐「おー待て待て、カナさん？

…あんま翔也と仲良くすんのやめて。てか俺以外の男はあかん。」

『…え』

それ、ってもしかしてヤキモチ？

『もしかして、レッスン室で怒ってたのも…』

汐「…いや、まぁそういうこと」

…汐恩って、結構嫉妬深いんだ。

初めて知った。

・