不器用エイリアンのほんと (ページ11)

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見たことがないくらい怒って…

というか嫌そうな顔をした汐恩に、川尻先輩や翔也くんもびっくりしている様子。

汐「なぁ、なんでおるんって。教室で待つって言ってたやん」

『や、言ったけど…来てみた、だけ…』

私の目を見て低く言葉を続ける汐恩にひるんで、思うように返せない。

　

そんなに、来てほしくなかったの…？

なんで…、

汐「…もうええわ、帰るで」

『あ、うん…待って』

私から目を逸らし、くるっと振り返った汐恩は私の言葉を無視してレッスン室を出ようと歩き出した

『…ごめん翔也くん、髪とメイクありがとう。

川尻先輩も、ご迷惑おかけしちゃってすみません。』

蓮「ううん、全然ええんよ。…なんか相談あったらいつでも聞くけん」

翔「ごめんカナちゃん、僕がここ来ようって言ったから…」

『翔也くんのせいじゃないよ、ありがとう！』

控えめに2人に手を振って、汐恩を急いで追いかけようとレッスン室を出ると、入り口で待っていてくれたみたい。

無表情でこっちを見ていて、

怖い、と思ってしまう

歩き出した汐恩の斜め後ろを歩くけど、その空気は重くて、息をするのも苦しい

汐「いつのまに、翔也も…蓮くんまで…」

『…？もっかい言って？』

汐「…なんもない」

汐恩がボソッとなにかを呟いたけれど、聞こえなかった。

『なんでよ、教えてよ』

汐「なんもないって」

重い空気をどうにかしようと、会話を続けるもあえなく失敗…

そのまま無言で靴箱について、それぞれの靴箱から靴を取り出すまでの一瞬、1人になるタイミングで、ため息をこぼした。

なんでこんなに汐恩が怒っているのかわからない。

レッスン室に勝手に行ったから、と言われればそうなんだけれど、

なんで行っちゃだめなのか、、

練習は見てないし、彼の邪魔になるようなことはしてないはずなのに。

この間わずか数秒だけど、いろんな気持ちが混ざって、もう一度ため息をつく。

…やば、汐恩に聞こえたかも

靴を履き終えた汐恩がぱっとこっちを向いたのが視界の端に見えた

おそるおそる彼の方を見てみると、

なんとも言えない、でもなんだろ、

すごく悲しそうな顔をしていた。

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