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きみがいればいい(理人) ページ6

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「アヤ?お〜〜〜〜い」


『…』


「おいちょっと、お嬢さん。無視すんなって」


『…』


「なんだよーご機嫌斜めなのかよー」




目の前をうろちょろする彼を無視すること30分。

彼が帰宅してからまだおかえりの一言しか話していない。



だって私、怒ってるんだもん。



それなのに何にも気づかないこの男は面白がって変顔してくるし、もうなんなの。


…やめて、笑いそうになる。





「…なぁ、まだ続ける?俺なんかした?」


『…』


「アヤ、さすがにキツイよ俺でも」




さすがに長すぎたのか、

しゅんとしだした彼に少し焦って彼の方を向けば



待ってましたと言わんばかりにニヤリと口角を上げて、そのまま思いっきりキスされた。

もうぶっちゅ〜〜って。



しかもそのまま肩掴まれて、キスしたまんま離れてくれないし。





『な、ちょ…!長い!!』



「はい俺の勝ち。俺のことほっといてた理由を聞こうじゃないか」



『…理人が悪いもん』



「わぁかったから何したか教えてって」




な?って頭をうりうり撫でながら聞いてくる。


もうキスの衝撃でなんで怒ってたか忘れるところだった…危ない。





『今日、なんの日?』


「今日?えーと……あ。」


『忘れてた?』


「いや!!!待って忘れてたわけでは…!!」


『忘れてたね?』


「ハイ…すみませんでした」




今日はちょうど理人と付き合って2年の記念日だったのに。


去年はちゃんと1年記念日をお祝いして、また来年もおんなじようにお祝いしようねって話してたのに。



何も言わないなとは思ってたけど、本気で忘れてるとは。

結構ショックだ。



やべ〜…と頭をぐしゃぐしゃにして項垂れる彼は本当に申し訳なさそうで、

悪気があったわけじゃないのはわかってるんだけど


やっぱり記念日に執着する女ってめんどくさいのかな…




『…別にね、お祝いがしたかったわけでも、何か欲しいわけでもないの』



「うん…」



『でも去年みたいに…また来年も一緒にって、言って欲しかったなって』



「っあ"〜〜〜〜かわいい…!!

まじでごめん、今度の休みどこにでも連れてくから」



『うん、ありがと』



「あと来年も再来年も俺らが一緒にいんのは確定しとるから。まじで離す気は無い。


あ〜なんで忘れたんや俺…ごめんなまじ愛してるよ」



『ふふ、なにそれ』






本当はね、理人がいてくれたら言葉も何にもいらないの


こんなこと言ったら調子乗るから絶対言わないけどね。



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幸せデート日和(汐恩)→←君しか勝たん(蓮)



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作者名:らん | 作成日時:2021年9月20日 4時

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