おやすみの前に (ページ28)

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素敵な出会い(大夢) ページ28

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「ね、ここ寄っていい？」

久しぶりの休日、理人と買い物に出掛けた帰り道に見つけたペットショップ。

しょうがないな〜と言いつつも嫌だなんて言うつもりもなさそうな理人を連れてお店に入ると、

ペットショップ特有の匂いと聞こえる鳴き声に懐かしさでいっぱいになる。

あぁ〜やっぱり良い。かわいい。

どの子も愛らしくてコロコロしてて、それはもうかわいい。

お店を見回してみると、至る所にポップが飾られて、綺麗に並べられた商品や動物たちの写真がたくさん。

愛に溢れたお店なんだなぁ…いいなぁ。

『こんにちは。何かお探しですか？』

「あ、特には……っ！」

キョロキョロしていたからか店員さんが話しかけてくれたんだけど、

目が合って、大袈裟じゃなく、バチっと衝撃が走った。

…え、わかんない、何この気持ち。

急に心臓がぎゅってなって、緊張する。

『この子ほんと可愛いですよね…！抱っこしてみませんか？』

「え、あ…はいっ…！」

かわいい。

この犬ももちろん。だけどそれ以上に、目の前の店員さんがかわいくて、素敵で。

なんていうか、輝いて見える。

…やばい俺、マジで…？

見惚れるしか出来なくてぼーっとしていれば、気がつくと店員さんがわんちゃんを預けてくれて

ふわふわもこもこのトイプーの赤ちゃんを抱きかかえた。

「…っかわい、です」

『かわいいですよね〜！…抱っこの仕方、お上手ですね！』

「元々ペットショップで働いてて、」

『ほんとですか！』

一緒ですね、なんて

今まで手元のわんちゃんに注がれていた視線が俺に移って、にっこり笑顔をくれて

それだけで火が出そうなくらい、熱くなって

思わず抱いている腕に力がこもった。

何気なく寄ったペットショップで一目惚れ、とか…

ドラマみたいな展開がいざ自分に起こるなんて夢みたい。

でも、未だに止まらないドクドクと速い鼓動が、これがお前の気持ちだぞと知らせてくる。

『お気に入りの子はいますか？』

「…っあの、すごい可愛いなって思って…！」

言わなきゃ後悔する

頭真っ白にくせに、柄にもなく必死だった。

「急になんだって思うかもしれないけど…

　また、会いに来たい…です、」

『…この子と待ってるので、いつでも来てくださいね』

「、はい！」

子犬に、だと思ってるのかな

それでもいい。あなたに会えるのなら。

思いがけない出会いをありがとう。

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