短編集【qk】

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『水上くんはさ、一応私の彼氏なわけじゃん』


「まあはい」


『だけど、水上くんのファンとか恋愛的に水上くんのことを好きな人はたくさんいるわけじゃん』


「はあ」



水上くんの、もうなにが言いたいんですか早くしてと、醸し出している表情に少し笑ってしまうが、これは重要なことだ、




『私達っていつか別れそうだよね』


「は、？』




スッとさっきまでどうでも良さそうな顔からキレてる顔になった。これはファンの子誰も知らないんだろうな、と少しだけの優越感を感じる。




『あ、いや絶対とは限らないよ？もし、ね。』



いつか私と付き合ってることがファンの子達にバレて水上くんのアンチが増えるのは嫌だし、悪口なんて聞きたくないから、と素直に言う。




「…なんであんたはいつもそう、自分のことを考えないんですか」




いつもより一段と声が低い水上くん。




「Aさんが僕を好きである限り、僕は離しませんよ」


『……ん』




手を握られて、しっかりと目と目を合わせてくる水上くんはいつもよりかっこよくて。





「僕とファンの未来を考えるより、僕とAさんの未来を考えてください。」


『そんなこと考えたら、終わらないよ、？』


「終わらなくていいんです」





逆に終わらせようとしてたんですか、と頰を膨らます彼にごめんごめんと返すも、





「でも、Aさんが本当に終わらしたいと思った時は終わらしてくださいね、」



と悲しそうに言うもんだから




『水上くんこそ、勝手に私が水上くんのことを嫌いになるような発言するのやめてよ』



と拗ねてやると、普段見せない笑顔で笑いかけてくる彼を見て、この人のことは一生好きなんだろうなと心から思った。









(え！じゃあさ)
(はい、？)
(水上くんにとって私が最後の女ってこと？)
(まあ、、そうなりますね)
(えー！伊沢に自慢しよ)
(なんでそこで男だしてくるんですか)

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