握手会 ページ23
列に並んで少し経つと、握手をし終えたファンの方が出てきては｢生すずしょうとやばい…｣｢え、ファンサ神すぎん？｣などと興奮していた。
遥｢そんなファンサやばいんやろか…？｣
｢ど、どやろ｣
正直私はファンサよりも、もうすぐしょうと会ってしまうということの方が緊張していた。
遥｢もう、緊張しとるやろ｣
｢え｣
遥｢バレバレやって｣
｢しゃーないやん…｣
遥｢じゃあ今日はファンってことで会ってきな！｣
｢え？｣
遥｢そっちの方がまだ気は楽やろ？｣
たしかに。遥の言う通りかもしれない。
｢そやな、そうしてみる｣
遥｢よし。あーでもやばいもうすぐそこやん…｣
少し先を見ると、握手会のブースがあった。
隙間からチラチラと見える手と、聞き馴染みのあるしょうの大きな笑い声。
(いよいよだ…)
＿＿＿＿＿＿＿
私の前にいた遥は、順番が来ると｢じゃあお先に｣と言って、足取り軽く飛び込んで行った。
スタッフさんに誘導されて、遥の後に自分もブースに入った。
母｢お、Aちゃん！｣
｢ほんとに会えて嬉しいです！｣
と言うと両手で握手をしてくれた。
母｢でもほんまべっぴんさんなったなぁ｣
｢いやいや！お母さんもすごい綺麗です！｣
母｢あら、口が上手ね？｣
｢ほんまのことですよ笑｣
母｢あ、スタッフさんに連絡先の紙、渡しといたし後で貰ってな？｣
｢あ、はーい笑｣
と言うとスタッフさんに誘導され、今度はすずくんとの握手だった。
す｢こんにちは〜!!｣
｢こんにちはすずくん！｣
す｢…｣
握手をすると、私の顔をじっと見つめてきた。
｢え、な、なにか？｣
す｢Aちゃん…？なわけないよな…｣
と小さい声でブツブツと呟いてて思わず吹き出してしまった。
｢はははっ｣
す｢あ、今日は来てくれてありがとうございます！｣
｢いや、久しぶりやなすずくん。あん時はまだ小学生だったのに｣
す｢え、？やっぱAちゃん!?｣
｢覚えてくれてたんや｣
す｢え、もちろん｣
というとスタッフさんにお時間ですと言われ私は次のブースへ誘導された。
す｢ちょ、待って！？え、あ、こんにちは…｣
まだ話し足りない事がきっとあったんだろうけど、次のファンの方が来て、困惑しながらまた握手していた。
(昔からすずくんは可愛いな)
と、思いながら次のブースへ行くと、今度は次男こうくんのブースだった。
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作者名：とちもち | 作成日時：2022年11月20日 19時
