告白 ページ17
学校の近くに海があり、そこまで手を引かれながら走った。
部活を引退してから運動をしてなかった私は少し息切れしていた。
「ねぇ…ちょ、早すぎ…」
蒼「体力ねぇなぁ？」
「…るさい。」
蒼「ごめんごめん笑笑」
はぁ、と深い息を吐いて、海沿いにあるベンチに座った。
俺も座ろーと言いながら蒼も隣に座ってきた。
サーッと海の音が流れてくる。
蒼「なぁ」
お互い無言で海を眺めているところで、蒼が話を切り出した。
「どしたん」
蒼「好きだよ」
「え」
思わず蒼の方を見る。
蒼はただひたすら海を眺めていた。
蒼「Aほんまに気づいてなかったんやな」
ははっと笑いながらそういう。
気付くはずがない。蒼は別の人が好きなんだと思っていた。
何度も告白されるくせにその場で振る蒼。
なぜと聞いても好きな人がいるから。としか答えなかった。
「え、っと、」
どう会話したらいいのか分からなくなる。
蒼「そんな困惑せんで？笑」
「私は、」
言葉が詰まる。
この2年間蒼が一番近くにいてくれた。
蒼に恋愛感情を抱いているのか、と言われるとそうでは無いと思う。
でも、蒼とはずっと仲良くいたいとは思っていた。
だけど、自分の心の中にはあの日のまま動きもしないしょうが居る。
もう2年経った。
初恋だからずっと心に残っているのか。
それとも、まだ好きだから残っているのか。
どちらにしろ、私がここで 「はい」 と言ってしまうと、私は蒼を傷つけてしまう。
「…ごめん。でも、嬉しかった。」
蒼「うん、そう言われるんわかってたで」
「…ごめん」
蒼「謝らんで？これからも仲良くしてくれたら嬉しい。」
「それは！もちろん…!!私は蒼とずっと仲良くしたいと思ってる」
蒼「ふはっ、それは嬉しい」
というと、スッキリしたーと言いながら、私の頭を1度小突くと急に立ち上がって海にこう叫んだ。
─────
「好きだった」
─────
そして私も立ち上がった。
─────
「ありがとう」
─────
私たちはお互い見つめあって、笑いあった。
「ほら、かーえろ」
蒼「へいへい」
そして、私たちの中学生活は幕を閉じた。
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作者名：とちもち | 作成日時：2022年11月20日 19時
