出会い ページ2
私と彼が出会ったのは、中学生の頃。
いくつかの小学校がひとつになって、人数も増える中学校。
友達数人と一緒に登校してきたけれど、まさかの全員とクラスが離れてしまった。
(はぁ…不安しかない…)
人とコミュニケーションをとるのは好きな方だったけれど、やはり中学となると少しばかり緊張する。
まだ朝は早かったので自分のクラスにはちらほらとしか人はいなかった。
自分から話しかけるという気も起きず、黒板にはられている座席表を見て、席を確認した。
私の席は窓側の1番後ろ。
(よっしゃ)
誰にもみられないように小さくガッツポーズ。
自分の隣の席の子が気になって、名前を見てみた。
(…しょう…くん…?)
苗字も名前も聞いた事なくて、少しどんな子か想像してみる。
でもどんな子かそんな簡単には想像できない。
(来たら、話しかけてみようかな)
少しの不安と控えめだけど大きな期待を背負って、私は自分の席に向かった。
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自分の席に座ると、光が入る窓からは学校のグラウンドが見えた。
人は誰一人居なくて、ただ少し黄色味がかった日光が白い砂を照らしていた。
「…ねぇ!」
隣から声をかけられた。
ぱっと振り向くと男の子だった。
「は、はい?」
「君がAちゃん?」
「え、そうですけど…」
初対面からすごくニコニコと話しかけてくるこの男の子。
勢いがすごくて少し引きそうだったけど、自分も頑張って話しかけてみた。
「もしかして…しょう?くん?」
「え、知ってくれてたの!?」
「…座席表見たから、笑」
「あ、そうか笑」
これが私と彼との出会い。
彼の第一印象はほんとに元気な男の子。
それからもどんどんと話しかけてきてくれるしょうくん。
彼のおかげで少し不安もぬぐえたんだ。
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作者名:とちもち | 作成日時:2022年11月20日 19時