いつかまたあの木の下で。 (ページ27)

今日:2 hit、昨日:1 hit、合計:6,317 hit

. ページ27

｢こんにちは〜!!あ！こないだのイベントも来てくれてたやんな〜!!｣

──────

｢こんにちは！え、かっこいい？あたりまえやん？((｣

──────

昼前から夕方までずっと行われる握手会。

当日券もあるため、握手する人も増えればその分時間も増える。

握手している時間はずっと立ちっぱなしだから、正直足腰は疲れるけど、ファンのみんなが楽しそうにしてくれてるから、頑張れる。

俺の癒しはファンのみんなが楽しそうにしてくれることかなぁ

なんて、配信で言ったがこれは本心だ。

【いつもありがとう】【応援してます】という言葉をかけられると、自分も嬉しくなってしまう。

ほんとに感謝してもしきれない。

握手会が始まって数時間すぎた頃、顔が強ばって今にも泣き出しそうな一人の女性が来た。

し｢こんにちは！今日は来てくれてありがと〜｣

そういうと、彼女は少し微笑んだ。

握手の手を差し出しても、緊張しているからなのかなかなか握ってこない。

(ええい！もう自分から触っちゃえ！)

と、自分から握ると、少し驚いたような顔をする。

短い時間の中でどれだけ喋れるかなと思いながら、会話をしてみるけど、弾まない。

緊張をほぐそうとほっぺをつついてみたり、頭を撫でたりしてみると、顔を赤らめる。

(かわいい)

無意識に思ってしまった。

？｢ありがとうございました！｣

と急に言ったかと思えば、手をぱっと振り払って早歩きで出ていってしまった。

し｢また来てな!｣

そう少し叫んでみたが、彼女は後ろを振り向かず、いってしまった。

.→←.(しょうside)