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第十七話 ページ17

家に帰ると、梓に強引に布団の中へ押し込められる。



「いっ痛い…!梓!一体どうしたの?!」


「バカA!どうして俺に何も言わないで勝手にあんな男の家にいるんだよ?!そのケガはなんだよ!」



心配をかけてしまったのはわかる。
でも帰りが遅くなってしまった事は今までに何度もあった事。



「梓。心配かけて本当にごめん。
でも分からないわ。どうしてそんなに怒っているの?」


「その傷…誰にやられたの?あの男?」



私の質問にちゃんと答えてくれなくて悲しくなる。



今までこんなことは無かったのに。



でも梓の問いに答えなければさらに距離が遠くなる気がして、私はこうなった経緯を説明した。



「尻尾を出してしまって、化け狐だとバレたから町人に石を投げられただけよ。
…それに、彼は私を手当てしてくれただけ」


「あいつの事、好きって言ったよね」


「……そうだったかしら?
梓の聞き間違いじゃない?」



彼をこれ以上巻き込まないようにごまかすけどそんな私に腹が立ったのか、梓は私を壁まで追いやって逃げられないようにする。



「どうして尻尾なんか出したんだよ。
今まで一度だってAはそんな失敗した事なんか無かったよね」


「そ…それは…たまには私だって失敗する事もあるわ…」


「…まあそれはいいよ。本題に移るけど、
どうしてあんな男を好きになったの?」



どうしよう。
必死で言い逃れをしているのに、梓は少ない言葉でどんどん私を追い詰めてくる。



「好き…なんかじゃないわ」



ああ、それだけの言葉なのに刺されるみたいに胸が痛い。



「本当に?」


「…ええ、本当よ。
私が憎い人間を好きになるはずないじゃない」



痛くて痛くて涙がこぼれそうだったけど、
必死で冷静を装って答える。



すると、梓はしばらく黙ってから口を開くとこう言った。



「…信じてるから。Aのこと」



ああ、胸が苦しい。
自分の気持ちにも嘘をつきながら、梓までだましている。



なんて、汚い。
梓のいなくなった部屋で私は一人、たまらなく自分が嫌いになった。

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設定タグ:恋愛 , 歴史 , 三角関係   
作品ジャンル:恋愛, オリジナル作品
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サボテンの花(プロフ) - 抹茶カステラさん» うわあ〜!ありがとうございます(ノ)゚∀゚(ヾ)この後お話は大きく動きますが、最後まで見守って頂ければ嬉しいです! (2015年2月25日 0時) (レス) id: c8a8a442e9 (このIDを非表示/違反報告)
抹茶カステラ(プロフ) - 今後の展開が気になります!あの2人のうち1人選べと言われたら、迷います(笑)これからも更新頑張って下さい! (2015年2月25日 0時) (レス) id: db1d54f625 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:サボテンの花 | 作成日時:2015年2月19日 3時

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