第十二話 ページ13
side 仁王
これは一体…どういう状況じゃ？
俺はあのあと恋愛方面でもっと突っ込んだ質問をしようと思い、屋上を出て生徒会長を追いかけた。
しかし追いついた先の生徒会室のドアの隙間から見えたのは、見たことのない女が赤也に怒っている光景。
「あれは誰じゃ…？ここは生徒会室じゃろ…」
生徒会長以外に生徒会には女はいなかったはず。
しかもあんなに顔の整った女は、学校内でもあまり見かけたことがない気がする。
「誰なんじゃ…」
考えていると次の瞬間、俺の目の前にあったドアが勢い良く開いた。
「に、仁王先輩？！」
飛び出してきたのは赤也。
なぜか手にはレンズのバリバリに割れたメガネを持っとる。
「おう」
「おう、じゃないっスよ！
助けてください！！！」
盗み聞きをしていたのが見つかって気まずかったから適当に返事をすると、赤也は涙目で俺につかみかかってきた。
「どうしたんじゃそんなに焦って。
それにあの女は誰なんじゃ？」
「どうしたもこうしたもないっス！それにあれはA先輩っスよ！！生徒会長の！」
「は？」
一瞬で俺の思考が停止する。
じゃけど腐っても俺は詐欺師。
動揺を必死に隠して笑った。
「冗談はやめんしゃい。いくらなんでもあれがAなわけないじゃろ？敬語も使っとらんみたいじゃし」
「最初は俺も信じられなかったっスよ？！
だから仁王先輩のイリュージョンかと思ってたのに！」
「…ああ…俺はここにいるしのう…」
「…ってことはやっぱあれはホンモノのA先輩なんスね…」
ここまできたらもう信じざるをえないようじゃ。
「じゃが…どうしてAはあないに怒ったり泣いたりしとるんじゃ？」
「それは、俺がコレ割っちまったからっス」
「…ああ…」
飛び出してきたときに持っとったんはAのメガネだったんか。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 129人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あやね(プロフ) - この作品めちゃくちゃ面白いです！更新頑張ってください！掛け持ち作品も頑張ってください！楽しみにしてます！ (2015年8月29日 20時) (
レス) id: a392641253 (このIDを非表示/違反報告)
はち(プロフ) - かけもち作品も頑張ってください！応援してます*\(^o^)/* (2015年8月25日 13時) (レス) id: cd21981d4d (このIDを非表示/違反報告)
越前ゆうま(プロフ) - 主人公にどんな秘密があるんだろう？続きが気になる(´▽｀)更新頑張ってください！ (2015年8月20日 20時) (レス) id: 9e480544f5 (このIDを非表示/違反報告)
サボテンの花(プロフ) - 桐皇霧崎さん» コメントありがとうございます、頑張りますね(*´ω｀*) (2015年8月20日 16時) (レス) id: c8a8a442e9 (このIDを非表示/違反報告)
桐皇霧崎 - 更新頑張って下さい!! (2015年8月20日 0時) (レス) id: 6611a8bc52 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：サボテンの花 | 作成日時：2015年8月15日 22時
