隣のキミ (ページ3)

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蓮・ラ「いらっしゃいませー」

18:00を過ぎたころから
お店のドアがひっきりなしに開いて
どんどんお客さんが流れ込んでくる。

予約で埋まっていたテーブル席は満席になり
残りはカウンターの数席になった。

翔「5番にパスタ運びまーす」

「はい。7番のカルパッチョ」

蓮「持って行きまーす…ってあの席ラウールのじゃん。お前もってけ」

ラ「はーい。3番がめめの人だから、めめはこっちね」

蓮「はいはい」

普通の店と違うのは、うちのご予約のお客さんには
「推し」が存在すること。

イケメンが多いからか
『え、今日はめめいないんですか？』とか
『翔太くんから持ってきてほしい』と言われることがほとんどで
彼らも顔を覚えていれば、できるだけ対応する。

翔太とかは、裏でたまに『めんどくせ』とか言ってるけど
接客する姿はまさにアイドルそのもの…。

涼「パスタもう2皿出るよー」

涼太はほぼフロアに出ることはないけど…
キッチンに近いテーブル席とか、カウンター席は大体涼太ファン。

予約時に座席指定が入ることもしばしば…。

「今日も多いな…」

涼「ん？」

「あ、いや、今日も皆人気だなって(笑)」

涼「目黒が入ってからお客さんも増えてありがたいよね」

「いやいや、3人だけでも凄かったよ」

そうかなーとか不思議そうにしてる涼太を
4番卓のお姉さんたちが、ずっと見つめてることに気づかないのかな。

ラ「Aちゃん、カしオレ1お願い」

「あ、はいはい……あ、カシスもうすぐなくなる」

翔「あ、カシス？発注したから、今日あたり来るんじゃね？」

「仕事早い。ありがとう！はい、ラウ持ってって」

ラ「ありがとー」

ラウが持っていたカシスオレンジを見つめながら
次の注文を作っていると
タイミングを見ていたかのように
店の裏口がキィと音を立てて鳴り…

元気な「お疲れ様でーす。SixTONESでーす」の声がする。