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春はいつも忙しい。
大学生は新歓、会社員の方も歓迎会を行ったりと
予約で埋まりやすい。
今日だって、ディナータイムに数件予約が入っている。
ラ「ただいまー」
「あ、おかえりー」
ラ「もう超お腹空いたー」
翔「涼太のまかない食って、準備しろー」
ラ「え、もう?」
翔「今日は予約で埋まってんだよ」
「帰ってきて早々、ごめんね」
ラ「ううん。大丈夫!すぐ準備するね!」
奥のスタッフルームに屈みながら入っていくラウールは
私の親戚だ。
外国の血が入っているから私と似ても似つかないけど…。
ラウールが大学進学するときに
ラウールの家族は海外移住することになったけど
ラウールが日本に残りたいという意思だったから
大学からも近く、預かれる余裕もあるだろうっていう事で
うちに居候という形になっている。
ラ「ねぇ、僕のエプロンどこー?」
翔「また無くしたのお前」
涼「あれ?昨日Aが洗ってなかったっけ?」
「あ、そーだ!洗濯終ってるから、ベランダ見てみて」
ラ「はーい」
家自体もレストランの上にある大きな部屋に住めている。
格安で貸してくれるオーナーがいた事に感謝しかない。
そんなこともあり、私とラウールは同居。
翔太と涼太も同じフロアに住んでいて
部屋は違えど、実質同居を4人でしているに等しい。
翔「そういえば目黒は?」
ラ「ん?もうすぐ来るんじゃない?今日は俺と同じ時間に終わってるはずだし」
涼「今日は目黒もいないと回らなそうだもんね」
「私もキッチン頑張るね」
涼「頼むね(笑)」
夜の予約表を見ながら
今日の動き方について話していると
店のドアがカランカランと音を立てる。
蓮「遅くなりましたー」
翔「お、噂をすれば」
「めめお疲れ」
蓮「早く帰りたかったんですけど、単位ぎりぎりで教授に捕まっちゃって」
ラウールに負けないくらい背が高い彼も
パタパタとスタッフルームに消えていった。
めめの方が年上だけど、ラウと同じ大学で
ラウにお店に連れてこられたことをきっかけに
うちでのバイトを始めた。
ラウールと二人だけのバイトメンバー。
フル出勤で5人っていう少なさだけど、今日もディナータイムが始まる。
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作者名:雪石 | 作成日時:2022年5月8日 21時