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映画はとっても人気なだけあって
すごく面白いのに…
ちゃんと集中できてない私がいる。
だって…こんな肘掛もない席で
ﾓﾃﾓﾃの潤さんが隣にいるなんて
なんだか…本当にデートみたいでﾄﾞｷﾄﾞｷしてる。
翔先輩と別れてからの5年間。
智にしか反応しなかった心臓が
他の人に反応してて……どうしていいのか分からない。
.
唯一、二人の間にあるキャラメルポップコーンを口に運ぶと
甘いのにどこか苦い味が口の中に広がった。
今…私の目の前で
敵とためらいがちにキスをしているヒロインも
甘くて苦い思いをしてるのかな？
そんな風に思ってると…口の中のポップコーンは
喉の奥に消えていった。
.
暗い中でスクリーンの光が潤さんを照らしてる。
そのスクリーンにはアクション映画らしい銃撃戦が映し出されてて
ちょっとリアル。
だから少しだけ顔を背けたら
暖かい手がｷｭｯて私の手を握ってくれて
大丈夫って言うみたいに優しく撫でてくれた。
.
潤「大丈夫だった？」
「え……あ、はい//」
潤「ちょっと女の子にはｷﾂかったかな？(笑)」
「いえ…すごく面白かったです」
“あのシーンがダメだっただけで//”って言ったら
そっかって先輩が笑ってくれた。
だって…やっぱり人気があるだけあって
迫力のあるアクションだし
ストーリーも引き込まれたもん。
たぶん…半分も集中できてなかったと思うけど。
潤「人気なだけあったね」
「あのストーリー思いつくなんて凄いですよね」
潤「そりゃプロだからね(笑)」
「あ……確かに//」
お話を書くことが仕事の人を褒めるなんて…
ちょっと恥ずかしくなった。
だけど…もっと恥ずかしくなったのは
また繋がれた左手から体ｸﾞｯと近づいて
もう本当に恋人同士みたいになってるこの状態。
潤「まだ時間ある？」
「はい…別に何時まででも」
潤「何時まででも、か(笑)」
「え、何かだめでした？」
潤「いや…別に(笑)」
そう言いながらも笑ってるから…
絶対、なんか変なこと言ったんだと思う。
だけど…すぐに気持ちを切り替えたように
潤「じゃあ…ご飯行こうか？」
ってまたデートのように
潤さんとの時間が続いていく。
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作者名：storm@japan
| 作成日時：2015年3月20日 12時
