-34- Oside ページ4
あの夜…Aは来なかった。
ずっと店の電気を付け続けて
いつそのドアを開けて入ってくるかなって
久しぶりにﾜｸﾜｸしてる俺がいたのに
太陽が出てくる頃になってもｶﾗﾝｶﾗﾝって鳴らなくて
バイトの子と交代で昼間に店を後にした。
.
何回も電話かけようとしたけどさ
もし…俺がなんかしてんだったら
その理由も分かんねぇのに連絡すんのは嫌だった。
最近、仕事で相手できんのも
Aじゃなくて、そこらへんの女子大生とかOLとか。
マジで…俺なんかしたんかな？
そんな風に考えながら
肺に入れ込んだ煙を吐き出して
グラスをひたすら磨いた。
.
ｶﾗﾝｶﾗﾝって鳴ったドアから
“金髪くーん”って明るい声が聞こえて
いつものスーツ姿じゃない相葉とニノが立ってる。
智「珍しくね？(笑)」
雅「まーねー(笑)」
和「休日出勤の気分だわー」
雅「いいじゃん!!」
この夕方の時間に来るのは珍しいけど
座んのは相変わらずカウンター席だ。
ま…酒も出せんだけどさ
2人が注文したのはなんてことないアイスコーヒーだった。
.
雅「そういえばさー仲直りしたの？」
智「んー失敗したっぽい」
和「失敗？なんで？」
智「来なかった」
雅「マジで…？」
俺の言葉に驚いたように二人とも固まっててさ
相葉に関してはずっと“え…え？”つってて
そんな姿を笑いながら、煙草を灰皿に押し付けて
新しい1本を吸い始める。
和「あんたが何かしたの？」
智「んー……心当たりねぇんだよな」
雅「じゃあ…Aちゃんに何かあったのかな？」
智「かもね(笑)」
そう言いながら笑うと…灰が落っこちそうになったから
灰皿にリズムよく灰を落とす。
あの日から…嫌な妄想が頭の中で回ってんだ。
他の男にさらわれていくとか…
櫻井とよろしくやってんじゃねぇかとか…
上司に言い寄られて、いい気になってんじゃねぇかとか。
んな…考えたくもねぇのに考えてんだ。
雅「じゃあさ…気晴らし出かけない？」
智「は？(笑)」
和「この人…大野さんと遊びたいらしいのよ(笑)」
智「いや…俺店あんだけど(笑)」
雅「バイトの子いんでしょ？」
なんか…強引に押されるまま
バーの仕事が無くなって、出かけることになった。
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作者名：storm@japan
| 作成日時：2015年3月20日 12時
