-59- Oside ページ29
すっげー嫌な夢を見てたのに
それ以上に幸せな起き方をして…だるい身体が一気に軽くなった。
デートの約束をしてた日だからって律儀に俺の部屋にいて
俺の腕の中にいて…
目の前の首筋に顔を埋めて、大きく息を吸い込めば
麻薬みたいな甘い香りが脳を侵す。
もう…やべぇよ。
「智……」
智「んー？」
「キスしたい」
智「どうしたの、いきなり(笑)」
「お願い」
“待って”なんて言う暇も与えないほどに
Aの唇が俺の目掛けて近づいて来て…
目瞑ってる姿は…今までん中で一番そそられる。
でも…気になることがあっから
触れそうな所でAを止めた。
智「昔は嫌っつって俺の事、引っ叩いたくせに」
「あの時は…彼氏がいたから」
智「今は彼氏がいないからいいの？」
「…うん」
酒がない状態でキスすんのなんて初めてで
幾度となく重ねた唇なのに
甘酸っぱさが俺の中に広がっていく。
合わせた唇から時々漏れる息に
あー風邪移すかもなんて…頭の隅で思いながら
Aの柔らかい唇を食べるように
どんどん深く深く堕ちていく。
「…んっ」
智「苦し？」
「だ…いじょぶ//」
智「んふふ…苦しいんじゃん(笑)」
「でも……やめないで」
智「もうどうしたの？」
「お願い」
潤んだ目をしてるAに…
んなこと言われたら
理性なんてないも一緒。
俺の理性の“ここで止めろ”なんて声はフェードアウトしていく。
智「止まんないよ？」
「いいよ？」
智「熱ですっげーﾎﾞｰｯとしてる(笑)」
「だから？」
智「本当に止まんないって事」
「いいけど…無理しないで」
智「このチャンス逃せない」
.
もう一度、重なった唇を離さずに
俺と場所を入れ替えて…
そのままゆっくり…優しく…Aの体をベットに沈ませる。
「やだ…明るい」
智「だって朝だもん(笑)」
「暗くして」
智「我儘め(笑)」
少しだけ隙間の開いてたカーテンをしっかり閉めると
部屋の中は暗くなって…
ベットの上のAの白い肌が
リビングからの僅かな光で輝いてるだけ。
初めてする時くらいにﾄﾞｷﾄﾞｷする手を
ゆっくりとシャツに滑らせて
俺の目の前に現れる肌にキスを落としていった。
風邪なんて…もうどっかいってる。
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作者名：storm@japan
| 作成日時：2015年3月20日 12時
