-57- Aside ページ27
ニノが来て…金髪くんの世話も落ち着いた頃
俺はちょっとｳﾄｳﾄしてて
もうちょっとで寝れそうだったけど
真夜中に鳴るインターホンの音と
それに応えるニノの声で眠気が段々と消えた。
雅「誰？」
俺の声に応える前に…
インターホンの主が部屋に凄い勢いで入ってきた。
.
雅「Aちゃん!?」
和「今は寝てるから」
随分とオシャレな格好で入ってきたAちゃんは
俺らの声なんか聞こえないみたいで…
少しだけ空いてるベットルームのドアの向こうを覗き込んでる。
和「な……今は寝てっから」
「具合大丈夫なの？」
和「まだ熱は高いけど…過労と栄養不足だろ」
「食べてなかったの？」
和「そうみたいね」
「なんで食べてなかったの？」
和「それ以上は本人が起きたら聞きなさいよ(笑)」
「でも…」
雅「あの…とりあえず起きちゃうし、座れば？」
俺の提案を、素直に“そうだね”って受け入れてくれて
俺が一人だけで座ってたソファが
一気に満員になった。
座ったAちゃんは…
オフィスカジュアルよりちょっと気張った感じで
私服の俺らの間に座ってると
少しだけ浮いて見える。
和「今日は？仕事？」
「うん。プレゼンだったの」
和「大事なやつ？」
「そう…初めて色々関わったプレゼンだった」
そっか。
だから金髪くんは……
俺を止めようとしたんだ。
Aちゃんにとって大切なプレゼンの日だったから
連絡してほしくなかったんだ。
和「そのあと飲み会ってとこ？」
「あ…なんで分かるの？//」
和「もう深夜だし…俺の連絡気づくのさっきって、そういう事っしょ？」
雅「確かに」
ニノが連絡したのは…
たぶん2，3時間前だから
それまで携帯見てなくて
こんな格好してたら……飲み会だね。
でも…ニノが見抜いたのはそれだけじゃなかった。
和「男と一緒だ？」
「……え？//」
和「すっげー違う匂いすんの気づいてる？」
「嘘…」
和「ほんとー」
そういえば…Aちゃんが走ってきた時に
少しいつもとは違う甘い匂いがしてた。
それが、男か女のなんて分かんないのに
今の反応で答えは……分かっちゃった。
匂いが移るくらい近くにいたのって
金髪くんでも…翔ちゃんでもない人なんだよね？
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作者名：storm@japan
| 作成日時：2015年3月20日 12時
