『背中合わせの二人 -Satoshi.O-』 Part4 (ページ24)

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家で楽しくゲームをしてたところに

携帯が着信をうるせぇくらいに知らせる。

あー電源切っとけばよかったなとか思いつつ

コントローラで一時停止してから

その電話に出た。

.

その電話ってのが…相葉さんだったわけで

もう有りえないくらい焦ってて

何言ってるか分かんないくらいなんだけど…

俺ってば優しいからさー

その電話通りに…ゼリーとか薬を買って

メールに送られてきた住所に向かった。

大好きなゲームを置いて来てまで。

.

住所の通りに来たマンションは…

それなりに良いマンションで

エントランスでインターホンを押したら

相葉さんが開けてくれる。

ここ相葉さん家じゃねぇはずだけど……

なら、誰の家だ？とか考えながら

エレベーターはｸﾞﾝｸﾞﾝ上がっていく。

部屋のドアの前で…もう1回インターホン鳴らすと

数時間前のシャツ着て、汗掻いてる相葉さんが出て来て

“入って”とだけ言い残して部屋の中に消えてった。

和「いや……あの、お邪魔してます」

この家の主が聞いてるかも分からねぇのに

そう言ってから…中に足を進めた。

ﾋﾞｯｸﾘするぐらい生活感のない部屋。

その空間で異様に焦ってる相葉さんを目で追うと

ベットしかねぇ部屋に寝てる家主みたいなやつが目に入って

静かに近づいてみる。

和「…大野さんっ!?」

雅「ｼｰｯ!! 今寝たばっか!!」

和「はぁ？」

相葉さんに押されるように…

ベットルームを出て、リビングのソファに座らせられる。

それで前触れもなく“今日ね”って話し始めた。

.

和「それで…俺に頼んだのね」

雅「そう……食欲ないとか言ってんだけどさ」

和「まぁ病人が食えそうなもん買ってきたけどさ」

雅「食べてくれるといいけどね」

相葉さんが大野さんを心配するように見つめて

俺も自然とそっちを向く。

和「知ってんのって俺らだけ？」

雅「う……ん。一応ね」

和「一応って？」

雅「ニノはさ……Aちゃんに連絡した方がいいと思う？」

和「あーどうだろうな」

雅「金髪くんはどっちなんだろうと思って」

和「さぁ？」

口ではそう言いながらも

俺の手はスマホの中の…Aちゃんの連絡先を探してた。