039 ページ39
.
「 ごめんね 、 行く当ても特にないのに連れてきちゃって 」
「 ええよ 、 紫耀ってやつやろ? 」
そう言って何事もないように普通にふるまってくれるから廉が好きだなぁって思うけど愛情じゃないんよね 。
歩く街並みがいつもより鮮やかに見えてしまうのはわたしの気持ちが落ち着いているからだろうか?
それとも廉が隣にいてくれるから?
どちらにせよ 、 今のわたしには廉が必要なんだと思う 。
廉まで紫耀みたいに彼女作って … 廉は彼女いないのかな?
まあ出会って2日ばかりだからそんなこと聞いたこともないけどこんなにかっこいい人に彼女がいないわけない 。
ただそれでいるって言われた時に私はどんな反応をしたらいい?
今の私に廉は必要だから離れていくことなんてできないし 、 かといっていないといわれる可能性の方が低いと思うし …
「 そんな顔見つめんといてや … 恥ずかしいわ 」
いつのまにか隣を歩く廉の横顔を見ていたみたいで 、 顔を背けられる 。 耳まで真っ赤にしてそんなに恥ずかしかった?
「 紫耀ってやつとなんかあった? 」
「 いーねん 、 紫耀くんなんかほっといたら 。 どーせ彼女とらぶらぶしてるし 」
今頃きっと結愛ちゃんと仲良くやってるよ 、 私のことなんて見えなかった人のふりして 。
「 Aはそいつがそんなに好きなんやな 」
そうやって痛いとこ突かれて自分の目を背けていた現実に引き戻されて 、
いくら嫌いって思ったってあなたは私の頭から消えてくれなくて離れれば離れていくほどに紫耀くんは私の中で大きな存在になっていく 。
そんなことに返事することもできなくてうつむいたまま道を歩いた 。
これからのことを予期するように少し雲が空にかかった 。
845人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
夢羽(プロフ) - とても好きです!!更新頑張ってください! (2017年1月17日 20時) (レス) id: 8780097573 (このIDを非表示/違反報告)
由梨明(プロフ) - いいですね!平野君が、幼なじみの設定!!また、更新楽しみにしてます! (2016年11月21日 11時) (レス) id: 13796ad0b8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ