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「それ、すごいね」

「うん。シンガポールの
有名なホテルの屋上プールあるでしょ?
あんな感じ」

「マジか。明日絶対行こ」



そう言った隆二さんが立ち上がり、
「お茶もらえるんだって」と
部屋の一角を指差した。

湯上りに緑茶を無料で提供しているというので、
ふたり分もらって木のベンチに腰かける。

温泉で熱くなった体に
冷たい緑茶が沁みておいしい。

くっついて座り、窓の外を眺めながら
「淋しかったの」と呟くと、
隆二さんは湯呑みを置いて私を見つめた。



「景色はすごかったけど……
隆二さんいないから淋しかった」



私の言葉に、
隆二さんがとろけそうな笑みを浮かべる。

「戻ったら、部屋の露天風呂一緒に入ろっか」と
返されて頷くと、優しく頭を撫でてくれた。









お茶を飲み終えて湯上り処を後にすると、
私の手を引いた隆二さんは
ショッピングコーナーに足を運んだ。

お土産物や地元の特産品などが売ってある中に
冷蔵スペースがあって、
そちらに向かった隆二さんが
うれしそうに笑って「あった」と呟く。



「せっかくだから部屋の露天風呂で飲む?」



そう言って隆二さんが指を差したのは
日本酒のビンで、
温泉に浸かりながらお酒を飲むなんて
大人みたいだと思って胸が弾む。

こくんと頷くと、よく冷やされたそれを手にして
隆二さんはレジへ向かった。

お会計を済ませ、また手をつないで部屋に戻る。

中に入ると、ビンをテーブルに置いた隆二さんが
壁際のキャビネットを開けて
そこからお猪口を取り出した。

まるで中に何が入っているのか
最初から知っていたかのような迷いのない動きに、
驚いてしまう。

大人な隆二さんは
きっとこういうところに何回も来ているから、
部屋にお猪口が置いてあるということも
知っているのだろう。

そういえば、隆二さんは
彼女と温泉旅館に泊まりに来るのは
初めてじゃない。

もしかしたら露天風呂でお酒を飲むのも、
前の彼女としたのかもしれない。

そう思うと、せっかく弾んでいた気持ちが沈んで
落ち込んでしまう。

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設定タグ:三代目JSoulBrothers , 今市隆二 , 登坂広臣   
作品ジャンル:恋愛
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なつめ(プロフ) - (・ω・)さん» 返信遅くなってすみません(>_<)今は更新止まってますが、また続きを書いたら再開しますのでよろしくお願いします! (2019年7月3日 23時) (レス) id: 273ec9fd08 (このIDを非表示/違反報告)
(・ω・) - 初めから一気読みしちゃいました!!更新楽しみにしてます(・ω・)! (2019年6月16日 11時) (レス) id: 73d65f4936 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - 私は岩ちゃんじゃなくて健ちゃんとタピオカが出ました明日は居酒屋EXILE行きます(*≧∀≦*) (2019年4月12日 9時) (レス) id: 7bd6b3fcc4 (このIDを非表示/違反報告)
なつめ(プロフ) - ユキさん» 私は普段ローソンユーザではないのですが行ってきました笑 臣くんとエリーが出ましたよー! (2019年4月11日 23時) (レス) id: 273ec9fd08 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - なつめさん今日はLAWSONスピードクジ三代目の日ですね私は早速行きます家からLAWSONまで近いので(*≧∀≦*) (2019年4月10日 10時) (レス) id: 7bd6b3fcc4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:なつめ | 作成日時:2019年2月28日 22時

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