239 ページ44
お仕置きの後
おあずけをされて辛かったけど、
隆二さんに促されるまま
用意されていた浴衣に着替え、
部屋を出て大浴場に向かった。
男湯と女湯で別々になってしまうので、
それまでは少しでもくっついていたくて
歩きながら隆二さんの腕にぎゅっと縋りつく。
「そんなに俺のこと好き？」
笑った隆二さんにそう尋ねられてこくんと頷くと、
あごの下を人差し指ですりすりと撫でられた。
猫ちゃんを可愛がるみたいなその仕草に、
恥ずかしいようなうれしいような
複雑な気持ちになる。
この旅館は階ごとに
男湯と女湯が分かれているので
階段の前で名残惜しく隆二さんと別れ、
私は上の階に向かった。
脱衣所ののれんをくぐり、中に入って浴衣を脱ぐ。
お仕置きの時に泣きじゃくって
ぐちゃぐちゃになってしまったメイクを落として、
大浴場に足を踏み入れた。
頭と体を洗ってすっきりしてから
だだっ広い温泉に浸かる。
窓一面に海と空が見えて、素晴らしい景色だけど
隆二さんと一緒にいられないのは淋しい。
今の時間は
女湯から屋上の展望露天風呂に行けるというので
行ってみたけどそれは変わらなくて、
素晴らしい景色に心を奪われることはなかった。
隆二さんのところに行きたくて、
早々に露天風呂を出る。
脱衣所で体を拭い、お肌のお手入れをして
また浴衣を着てから
湯上り処というところに向かった。
温泉に浸かった後
休憩するためにあるらしいそこには、
先に隆二さんがいてほっとした。
白地に青い桔梗柄の浴衣を着ている隆二さんは
髪がサラサラになっていて、
木のベンチに座って窓の外を見つめている姿が
凛としていて本当にかっこいい。
どきどきしながら近づいていくと、
ふとこちらに気づいた隆二さんが
私を見てうれしそうに笑う。
「早かったね。ちゃんと浸かった？」
「……うん。屋上の展望露天風呂にも行ったよ」
「どうだった？」
「柵がないから海に落ちそうだった」
そう答えると、隆二さんは声を上げて笑った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1504人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
なつめ(プロフ) - (・ω・)さん» 返信遅くなってすみません(>_<)今は更新止まってますが、また続きを書いたら再開しますのでよろしくお願いします！ (2019年7月3日 23時) (
レス) id: 273ec9fd08 (このIDを非表示/違反報告)
(・ω・) - 初めから一気読みしちゃいました！！更新楽しみにしてます(・ω・)！ (2019年6月16日 11時) (レス) id: 73d65f4936 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - 私は岩ちゃんじゃなくて健ちゃんとタピオカが出ました明日は居酒屋EXILE行きます(*≧∀≦*) (2019年4月12日 9時) (レス) id: 7bd6b3fcc4 (このIDを非表示/違反報告)
なつめ(プロフ) - ユキさん» 私は普段ローソンユーザではないのですが行ってきました笑 臣くんとエリーが出ましたよー！ (2019年4月11日 23時) (レス) id: 273ec9fd08 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - なつめさん今日はLAWSONスピードクジ三代目の日ですね私は早速行きます家からLAWSONまで近いので(*≧∀≦*) (2019年4月10日 10時) (レス) id: 7bd6b3fcc4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：なつめ
| 作成日時：2019年2月28日 22時
