cafe and bar MADNESS 5

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「後で海入んのに、危ないでしょ。
もうやめときな」

「大丈夫。私泳がないもん」

「じゃあ何すんの？」

「浮き輪でぷかぷかするの」

「ぷかぷかするだけ？溺れない？」

「動かずにぷかぷかするだけだもん」

「それ、楽しい？」

「すっごく楽しい」



そう答えると、隆二さんは可笑しそうに笑った。

「全然分かんねー」と呟いて、首を傾げる。



「サーフィンとか
ボディーボードとかなら分かるけど。
浮くだけなのが楽しいんだ」

「うん！サーフィンかぁ。隆二さん似合いそう」

「昔ちょっとやってたよ。
何か趣味ほしいなぁと思って。続かなかったけど」

「えっそうなの？見たかった……」



ウェットスーツに身を包んで
波に乗る隆二さんなんて、
想像しただけでかっこいい。

頭の中でサーフィンをする隆二さんに
うっとりしていると、
隆二さんは可笑しそうに笑った。



「今度一緒にやる？」

「えっ、それは無理。できないもん。
私は隆二さんを見る係する」

「なにその係って。もー可愛いなぁ」



とろけそうな笑みを浮かべた隆二さんが
頭の横にキスをしてくれる。

うれしくてえへへ、と笑っていると、
ナオさんに「Aちゃん酔ってる？」と
尋ねられた。



「酔ってないです」

「いや、酔ってるでしょ」



そう言った隆二さんが紙皿と割り箸を置き、
私の腰を抱き寄せる。

「また動画撮ろうかな」と耳元で囁かれて笑うと、
ナオさんが「酔ってるねー」と
感嘆したように呟いた。

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