cafe and bar MADNESS 5

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「結婚に早いも遅いも
ないと思うけどな。
俺は結婚なんか
全くする気なかったけど
彩花やったらしたいなと思ったし」



あの健二郎さんが臆面もなくのろけていて、
うらやましいやら面白いやらで笑ってしまう。

すると、隆二さんも笑いながら
「はいはい」と健二郎さんの言葉を軽く流した。



「あ、お前そんな態度取る？
今までお前のノロケ散々聞いたったのに」

「別にのろけてねーし」

「嘘つけ！めっちゃのろけまくっとったやんけ。
当時ぼっちやった俺がどんだけ傷ついたか」

「今は彩花ちゃんいんだからいいじゃーん。
……あ、ほら、噂をすれば」



隆二さんが視線を向けた先に、
木の扉を開けて店内に入ってきた
彩花さんの姿があった。

「こんばんは」と彩花さんに手を振ると、
笑顔で手を振り返してくれて
健二郎さんの隣に座る。



「お待たせ、健二郎くん」

「おーお疲れ。腹減った」

「え……何も食べてないの？」

「うん。お前のメシ食いたかったし。はよ帰ろ」

「あー待って健ちゃん。バーベキューの話は？」



隆二さんがそう尋ねると、
「家で言うとくわ」と答えた
健二郎さんが立ち上がる。

隆二さんに支払いをしてから、
健二郎さんは座ったばかりの彩花さんが
困った顔をしているのにはお構いなしに
腕を引っ張った。

木の扉の外へふたりが出て行くのを
見送っていると、
「今度みんなで海行こうかって話になって」と
隆二さんが話し始める。



「海の家で一式借りて
バーベキューしようって言ってんの」

「わぁ、楽しそう」

「でしょ？詳しくは後で話すね。
とりあえず今日はメシ何する？」

「塩レモンのパスタ……」

「また？ほんとハマってんね。
期間限定だからもうすぐ終わるのに」

「うん、だから今のうちに食べとかなきゃ」



私の言葉に、隆二さんが可笑しそうに笑う。

それからいつものように
マドネスの店内で晩ごはんを食べ、
先に隆二さんの家に帰った。

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