57 ページ8
「空回りなんかじゃないです。
すごく、うれしかったです。
一緒に飾り付けできたのも、
ラテアートも、歌も。
ネックレスも、ありがとうございます」
そう言うと、隆二さんも
うれしそうに笑ってくれた。
しばらく見つめ合っていると
ふいにスマホのアラームが鳴って、
帰る時間になったことを知らせてくる。
「……タイムリミット?」
「はい……」
「ん、分かった。送るよ」
そう言った隆二さんが立ち上がり、
私の手を引いて玄関に向かった。
本当はまだ隆二さんと一緒にいたいけど
門限があるから、もう帰らなければならない。
もしこれが、ナオさんみたいに
バリバリ働いている大人なら、
門限なんてなくて
隆二さんとずっと一緒にいられたのに。
やっぱり私は子供だ、と思って
悲しくなっていたら、
靴を履いてドアの取っ手に手をかけた隆二さんが
ふいにそれを離した。
どうしたんだろうと思ったら
体を引き寄せられて、
隆二さんの腕の中に収まってしまう。
「あー……帰したくねー……」
「隆二さん……」
苦しそうな隆二さんの言葉に、
また泣きそうになってしまった。
私と一緒にいたいと思ってくれている
隆二さんの気持ちが伝わってくるようで、
私も隆二さんと離れたくなくて、
ぎゅっとしがみつく。
「子供でごめんなさい……」
私が大人だったら、帰らずに済むのに。
そう思ってそう言うと、
隆二さんは私の耳元で笑った。
「いいよ。
帰さなくてすむようになる日まで、待ってる」
その言葉に胸がぎゅうっと苦しくなって、
だけど、早くその日が来てほしいと思った。
早く大人になりたい。
大人の隆二さんにふさわしい、大人の女の人に。
777人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「登坂広臣」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
なつめ(プロフ) - Koiru*さん» 何度も読み返してくださりありがとうございます!自分で書いておきながらなんですが私もマドネスの隆二くん大好きです♪歌で告白してくれるとかめっちゃいいですよね!ほんと近場にいないかなぁー笑 (2019年4月15日 20時) (レス) id: 273ec9fd08 (このIDを非表示/違反報告)
Koiru*(プロフ) - やっぱり、マドネスの今市さん素敵。何度読み返しても、キュンキュンします。良いなぁ、こんな人が目の前に現れてくれないかなぁ。と思う日々です。 (2019年4月15日 11時) (レス) id: c51d9e3401 (このIDを非表示/違反報告)
なつめ(プロフ) - Koiru**RHT名前変えましたさん» 私にやられそうですか?笑 移行してからもやっちゃいますよー!続きもお付き合いいただけるとうれしいです♪ (2018年12月5日 16時) (レス) id: 273ec9fd08 (このIDを非表示/違反報告)
なつめ(プロフ) - Tomoさん» こちらこそ、コメントありがとうございます♪このお話で楽しんでいただけたようで、とってもうれしいです!これからもこのお話の隆二くんで萌えていただけるようがんばります! (2018年12月5日 16時) (レス) id: 273ec9fd08 (このIDを非表示/違反報告)
Koiru**RHT名前変えました(プロフ) - なつめさんに、やられそう( 〃▽〃) (2018年12月5日 9時) (レス) id: c51d9e3401 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:なつめ | 作成日時:2018年11月28日 17時