検索窓
今日:1 hit、昨日:1 hit、合計:418,250 hit

95 ページ46

「んー……DVD見る?
映画とか、いっぱいあるよ」



そう言った隆二さんが立ち上がり、
私の手を引いて大きな棚の前に連れて行った。

「どれがいい?」と尋ねられて、
DVDがずらっと並んでいるところを見る。



「あ、美女と野獣だ」

「好き?」

「アニメーション映画は子供の頃観たんですけど、
実写は観たことなくて」



そう言うと、隆二さんは
「じゃあこれにしよっか」と
DVDのパッケージを手に取った。

デッキにディスクを入れて、再生してくれる。



「隆二さん、美女と野獣とか観るんですね」

「なんか、こないだ旅行に行った時
飛行機の中で観てすげー感動したんだよね。
だからDVD買った」



旅行に行った時。

ふと、その言葉に引っかかった。

隆二さんは、誰とどこへ行ったのだろう。

どうして飛行機の中で美女と野獣を観たのだろう。

飛行機の中だったら
他にも映画を選べたはずなのに。



本編が始まって、綺麗な映像が続く。

だけど、それが頭に入って来ない。

今までは考えないようにしてきたこと。

隆二さんは大人で、私とは違って
過去に付き合った人がいるということ。

もしかしたら、
美女と野獣もその人と観たのかもしれない。

そう思うと、そんなこと考えても仕方ないのに
涙がにじむ。



「……どうしたの?」



横に座っていた隆二さんが
頭を傾けて私にくっつけた。

そう聞かれても答えられなくて、
画面から目を離さずにいると
隆二さんに体を抱き寄せられる。



「まだ泣くシーン来てないけど」

「……」

「どうしたのか言わなきゃ分かんないよ。ほら、」



隆二さんの胸に顔をつけると、涙がこぼれた。

隆二さんの過去に嫉妬しても仕方ないのに。

私は隆二さんより一回りも年下で、
私の手の届かない隆二さんの過去に嫉妬しても、
何も変えられないのに。

96→←94



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (425 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
777人がお気に入り
設定タグ:三代目JSoulBrothers , 今市隆二 , 登坂広臣   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

なつめ(プロフ) - Koiru*さん» 何度も読み返してくださりありがとうございます!自分で書いておきながらなんですが私もマドネスの隆二くん大好きです♪歌で告白してくれるとかめっちゃいいですよね!ほんと近場にいないかなぁー笑 (2019年4月15日 20時) (レス) id: 273ec9fd08 (このIDを非表示/違反報告)
Koiru*(プロフ) - やっぱり、マドネスの今市さん素敵。何度読み返しても、キュンキュンします。良いなぁ、こんな人が目の前に現れてくれないかなぁ。と思う日々です。 (2019年4月15日 11時) (レス) id: c51d9e3401 (このIDを非表示/違反報告)
なつめ(プロフ) - Koiru**RHT名前変えましたさん» 私にやられそうですか?笑 移行してからもやっちゃいますよー!続きもお付き合いいただけるとうれしいです♪ (2018年12月5日 16時) (レス) id: 273ec9fd08 (このIDを非表示/違反報告)
なつめ(プロフ) - Tomoさん» こちらこそ、コメントありがとうございます♪このお話で楽しんでいただけたようで、とってもうれしいです!これからもこのお話の隆二くんで萌えていただけるようがんばります! (2018年12月5日 16時) (レス) id: 273ec9fd08 (このIDを非表示/違反報告)
Koiru**RHT名前変えました(プロフ) - なつめさんに、やられそう( 〃▽〃) (2018年12月5日 9時) (レス) id: c51d9e3401 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:なつめ | 作成日時:2018年11月28日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。